連載企画「天津との翼」中

update 2004/10/30 11:20

 函館市を中心に公式訪問団を組織し、天津詣でを10年間続けているのは、中国のけた違いの人口や目覚ましい経済成長に魅力を感じていることにほかならない。

 訪問団は定期路線開設を要望する一方、天津人民政府との人脈づくりに余念がない。団員の一人は「天津の人口は1000万人。富裕層が1%としても10万人に上る。この一部が函館に来てくれれば」と皮算用をする。

 ■立場の逆転

 「かつて、私どもが中国に来てくださいとお願いしていたが、今は逆。非常に面白い」

 日本の国土交通省東京航空局に当たる中国民用航空総局(北京)の王栄華次長は、訪問団一行を歓迎しながら、立場の逆転をさらりと指摘した。

 王次長によると、中国では1999年から年3回、長期休暇を取れるようになり、旅行需要が急増。旅行者は国内外で延べ8億人に達する。「中国人はこれまで、お金ができたら貯金していたが、所得も増え、最近では旅行するようになった」と説明する。

 ■知名度アップを

 天津、そして中国という巨大観光市場をめぐる競争は激しい。王次長も「私どもの所に来てない都道府県や市はないほど」と、日本国内のライバルの多さを説く。

 こうした中、函館の中国での知名度は、決して高くない。来函経験者には「夜景や街並みがきれい」「海産物が安くて、おいしい」など、一定の評価はあるが、「日本に一度も訪れたことのない人は、東京や富士山に行きたがる。北海道や函館は知らない人がまだまだ多い」(天津の旅行関係者)のが現実だ。

 西尾正範団長(函館市助役)は「函館は日本有数の観光地。海外チャーター便は年500便以上に上る」と、国際観光都市であることを強くアピールした。しかし、中国の航空会社や天津市の高官からは「チャーターの集客ためにも、PRの強化が必要」との声が上がった。定期路線開設以前に、「知名度不足」という大きな課題が突き付けられた。

提供 - 函館新聞社



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