映画「海猫」/森田芳光監督インタビュー
update 2004/10/28 11:06
函館と南茅部を舞台にした映画「海猫」が完成し、26日に函館市内で特別試写会が開かれた。伊東美咲さんの初主演映画としても話題を集めており、原作は札幌出身の作家、谷村志穂さんの同名小説。ロシア人の血をひく美しい娘野田薫(伊東)が、南茅部の漁師赤木邦一(佐藤浩市)のもとに嫁ぎ、その弟広次(仲村トオル)と結ばれる―という禁断の愛に生きた女性の濃厚な愛の物語。11月13日から全国一斉に公開され、函館では函館東宝で上映される。函館とゆかりの深い森田芳光監督に映画の出来栄えやロケでの苦労、函館の魅力などについて話を聞いた。
― 作品について聞かせてください。
ひとことで言えば、サプライズの映画。伊東美咲がいい演技をしているのでびっくりしたという声が多い。ラブシーンがきれいだったとも言われる。奥底に秘めた心が、きれいな映像の中でじわじわとわき出て、考えさせる映画になったと思う。
― 映画の中で函館を実在の街として登場させるのは初めてだそうですが。
函館を舞台にした映画は、監督作品としては「ときめきに死す」(1984年)、「キッチン」(89年)に次いで3作目。脚本を担当した「キリコの風景」(98年)も入れると4作目になります。今回は、20年前の函館という設定だったので、新しい建物が入らないようにするなど、ロングショットを撮るのが結構難しかった。
― 函館と南茅部のロケには多くの住民が参加したそうですね。
地元の人たちには、これ以上ないというくらい協力してもらった。特に漁師のケンカや昆布漁のシーンでは、何十人という方の協力をもらった。それが映画の勢いにもなっている。函館と南茅部には、峠を隔てた独特の時間差がある。見る人にとっては、その独特の距離感が面白かったのではないか。
― 函館はロケ地として魅力的なのでしょうか。
函館はフィルムコミッションができる前から、とても協力的。やりやすい街だと思う。映画を見る人にいい街だと思わせる、醸し出すもの、空気感がある。「海猫」はドロドロした話だが、函館独特の透明感もあって、登場人物みんなが純粋でいい人に見える。場所が違ったらまた違った作品になったと思う。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。