全道中学駅伝 2年連続Vの女子江差
update 2004/10/27 10:30
このほど岩見沢で行われた、第22回全道中学駅伝競走大会で、男子(6区間・18キロ)は大中山が4年連続5回目、女子(5区間・12キロ)は江差が2年連続2回目の優勝を果たし、12月に千葉県で行われる全国大会への出場を決めた。両校とも監督や主力選手の転任・転校やけがなど、連続優勝の道は平たんではなかったが、本番では気力と練習の成果を発揮し、見事連覇を飾った。さらに自信と手ごたえをつかんだ選手たちは、「全国でも上位進出を」と気持ちを高めている。
大中山は全道大会で史上2校目となる4連覇を果たした。棟方雄己主将(3年)が中心となり、自主的なトレーニングの積み重ねで最高の結果を自ら手繰り寄せ、チームの士気も高まっている。
新たに1年生が3人加わった今春から、就任1年目の高木寿監督は「土台はしっかりしている」と選手たち自らで練習メニューを組ませ、実践させてきた。
練習は学校の周囲約400、800メートルのコースをロングやショートのジョグを中心にこなした。校舎が高台にあるため、アップダウンが多くスタミナを養うにはもってこい。また、スピードをつけたランと休憩を繰り返すインターバルや、一定距離を徐々にスピードを上げていくビルドアップも織り交ぜ、1日1時間半―2時間の中でめりはりをつけた内容とした。
最初はついてくるのに精いっぱいだった1年生に、棟方主将は「やればやっただけ力になるから、頑張れ」と励まし続けた。チームが掲げる全国出場の意識が1年生にも浸透し、今では無理なく追走できている。
本番では、1区(3キロ)の棟方が9分07秒の力走を見せ、トップと17秒差の2位につけ、2区(同)の平沼優太(3年)が徐々にトップとの差を詰め、残り400メートルでラストスパート、トップに立ち、8秒差をつけ1位でたすきを渡した。3区(同)の佐藤駿希(1年)は9分58秒の区間賞の力走を見せ、以降は1度もトップを譲ることはなかった。終わってみれば、2位に1分近い差をつけての快勝だった。
高木監督は「最後までたすきをつなごうとだけ告げ、あとは選手たちの力を信じた」と、自らがハードメニューを課し、レベルアップしてきたチームを褒める。
昨年の全国大会は道内勢過去最高の21位で、これまでの37位を大幅に更新した。棟方主将は「各区で10分を切るのが目標。順位はおのずとついてくる」と日ごろの成果をいかんなく発揮しようと日々練習を続ける。
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2連覇を成し遂げた江差には、5人の中で区間賞を獲得した選手は1人もいない。「これがこのチームの象徴なのです」。選手を率いた阿部広嗣監督(30)がうなずいた。江差は選手5人が互いの競争心で走力と総合力を高め、レースでも1人ひとりの力走を重ねて、連続優勝を勝ち取った。
昨年の経験者もいるとはいえ、チームづくりは困難を極めた。アンカー小林知世(2年)が6月に右足を疲労骨折。9月には主力選手が転校、急きょ1年の若山知世を起用する事態に。小林は当初、大会出場は難しいと言われたが、腕振りなど足を使わないトレーニングで集中力を維持し、若山も他の選手に追いつこうと汗を流した。
当日、1区(3キロ)の主将・京谷理紗(3年)は、全国中体連3位の足寄・清水美穂に16秒差に詰め寄る力走。「これで行けると思った」と阿部監督が確信した通り、2区(2キロ)の成田紗妃(同)が1キロ地点でトップに立ち、リードを保ちながら3区(同)若山につないだ。
若山は目標の7分30秒にわずかに及ばない7分39秒・区間4位の好走。4区(同)の南部谷梓(3年)も、股関節のけがを感じさせずにそのリードを守り、最終5区(3キロ)の小林へ。「走れる喜びを全部込めた」という力強い走りで、1位でゴールに飛び込んだ。
「昨年優勝しているので、重圧はあった。優勝できてうれしいというよりほっとしたのが正直な気持ち」と京谷。だが、困難なチーム環境でしっかり連続優勝を成し遂げたことは大きな自信になった。全国のコースは起伏が激しい難所で、降雪のある北海道は調整が難しいとされる。昨年は42位だったが、選手は「昨年の経験を生かして、さらにいい順位を」と躍進を誓っている。(浜田孝輔・原山知寿子)
提供 - 函館新聞社
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