道教大函館校06年度から新課程に/地域に期待と不安

update 2004/10/26 10:08

 北海道教育大学(村山紀昭学長)の再編基本計画がまとまり、函館校は2006年度から教員免許取得を義務づけない新課程(ゼロ免課程)のみに再編されることになった。専攻によっては教員免許取得も可能になるが、教員養成課程と新課程を併設していた従来の枠組みからは大きく変わることになる。地元では、新しい大学像への期待や不安の声が広がった。

 再編基本計画では、教員養成課程を札幌、旭川、釧路校、新課程を函館、岩見沢校に集約。総定員1210人は維持し、函館校は現在の275人から330人に増やす。函館校は「人間地域科学課程」に転換し、5専攻を置く。専攻や選択によって小中高校教員免許の取得を可能にする。

 同校は「ほかの教育大学にはないカリキュラムづくりを目指したい」(函館校担当の奥田亨副学長)と、独自色を打ち出す考えを示している。

 同大の再編をめぐっては、南北海道高等教育機関整備促進期成会(会長・井上博司函館市長)が同大に存続維持を求めて要望書を提出するなど、地元には教員養成機能を残すよう求める声が根強くあった。これに対して同大は、再編後も現職教員向けの研修開催を継続するなど、「教員養成機能は残る」としている。

 高校生の子供がいる保護者の1人は「教員養成課程がなくなって残念。方向づけをしっかりして、地元に貢献できる人材を育ててもらいたい」。別の保護者は「再編後も教員免許が取れると聞いて安心した」と語る。

 一方、新しい教育課程については内容が分かりにくいという声も。道高等学校校長協会渡島支部の冨樫一憲支部長(函館中部高校長)は「課程、専攻ともどのような勉強をするのか、イメージがわきにくいのでは」と指摘する。

 受験生の反応もさまざまだ。函館校の教員養成課程を受けるつもりだという市内の高校3年生は「入学しても同じ科に後輩がいないと思うと複雑な気持ち」。旭川校を志望しているという高校3年生は「(再編が始まるのが)自分の時じゃなくて良かったというのが正直な気持ち。専攻がより専門的になるので、教員になった時に生きるかもしれない」と話している。

提供 - 函館新聞社



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