「上ノ国花沢館跡」発掘現場で現地説明会

update 2004/10/24 16:49

 【上ノ国】上ノ国町教委は23日、9月中旬から発掘調査を進めている同町勝山の国指定史跡「上ノ国花沢館跡」で、発掘状況や出土品を紹介する現地説明会を開いた。

 調査は、遺跡の保存管理計画策定を目的に9月18日にスタート。1カ月間で約100平方メートルを発掘した結果、1640年の駒ケ岳噴火に伴う降下火山灰層の下で、幅11メートル、深3・9メートルの空壕(からぼり)や柱穴2基などの遺構を発見。中国製とみられる青磁のおわんや白磁の皿、銅銭など約50点の遺物が出土した。

 花沢館は、1400年代に蠣崎季繁が築いた城館といわれ、1457年の「コシャマインの戦い」では、上磯町の茂別館とともに陥落しなかった堅固な城館という。蠣崎氏はその後、松前姓を名乗り蝦夷(えぞ)地の支配を広げた。

 調査結果について町教委は「陶磁器は15世紀中葉から後半のもの。花沢館の記述がある古文書『新羅之記録(しんらのきろく)』などの文献にある時期とほぼ符合する。蠣崎氏が同じ町内にある洲崎館や花沢館から勝山館に拠点を移した過程を解明する上で重要な手掛かり」と話している。

 町教委がこれまでに花沢館周辺の市街地で遺構や遺物の分布調査を行った結果、17世紀初頭とみられる遺物の中に、13―15世紀の遺物が含まれていたことから「花沢館や天の川河口周辺には、中世の生活空間が広がっていたと考えられる」と分析している。

提供 - 函館新聞社



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