道遺産第2回選定…27件決まる

update 2004/10/23 17:11

 道内の自然や文化、歴史、産業など、後世に継承したい有形、無形の財産「北海道遺産」の第2回分の選定結果が22日発表され、道内の27件が新たに決まった。道南からは「五稜郭と箱館戦争の遺構」(函館市など)と「函館西部地区の街並み」(同市)の2件が選ばれた。これで、第1回選定分(2001年10月発表)の25件と合わせ、北海道遺産は52件、道南は計8件となった。

 札幌市内のホテルで同日開かれた北海道遺産構想推進協議会(会長=辻井達一・道環境財団理事長)の総会で最終決定した。

 道南からは7件が最終選考に残った。「五稜郭と箱館戦争の遺構」は「道南一帯にある遺跡や遺構は箱館戦争(1868―69年)のすさまじさなどをしのばせる」として選ばれた。「函館西部地区の街並み」は「ハイカラな洋風建築とともに、和洋を巧みに交えてデザインされた商家や住宅が立ち並び、その景観はほかでは見られない」と評価を受けた。

 今回の選定では、昨年6―12月に遺産候補を一般公募。全道から1311件が寄せられた中、有識者による選定専門委員会(委員長=越野武・札幌大文化学部教授)が、2回の選定作業で72件に絞り、さらに現地調査などを行い、27件に決定した。

 道遺産構想は1997年に堀達也・前知事が提唱。道内の後世に継ぐべき有形、無形の財産を選出し、地域や人づくり、観光促進、地域経済活性化などを図る。

 第1回選定分では、道南から「函館山と砲台跡」「路面電車」(以上函館市)、「姥神大神宮渡御祭と江差追分」(江差町)、「上ノ国の中世の館」(上ノ国町)、「福山城(松前城)と寺町」(松前町)、「内浦湾沿岸の縄文文化遺跡群」(南茅部町など)の6件が選ばれている。


 このほかの新たな道遺産は次の通り。(50音順)

 ▽アイヌ口承文芸(道各地)▽旭橋(旭川市)▽雨竜沼湿原(雨竜町)▽江別のれんが(江別市)▽オホーツク沿岸の古代遺跡群(網走地域)▽開拓使時代の洋風建築(札幌時計台、豊平館、清華亭など)(札幌市)▽サケの文化(道各地)▽札幌苗穂地区の工場・記念館群(札幌市)▽静内二十間道路の桜並木(静内町)▽積丹半島と神威岬(積丹半島)▽ジンギスカン(道各地)▽森林鉄道蒸気機関車「雨宮21号」(丸瀬布町)▽スキーとニセコ連峰(ニセコ地域)▽宗谷丘陵の周氷河地形(稚内市)▽土の博物館「土の館」(上富良野町)▽天塩川(流域13市町村)▽屯田兵村と兵屋(道各地)▽ニッカウヰスキー余市蒸溜所(余市町)▽野付半島と打瀬舟(別海町、標津町)▽登別温泉地獄谷(登別市)▽北限のブナ林(黒松内町など)▽北海幹線用水路(空知地域)▽道の馬文化(ばん馬、日高のサラブレッドなど)(道各地)▽モール温泉(音更町など)▽流氷とガリンコ号(紋別市など)

提供 - 函館新聞社



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