新函館農協、旧上ノ国農協の債権回収で1200万円を益金処理か
update 2004/10/19 10:34
【上ノ国】1999年に乙部、江差、上ノ国など5農協の合併で発足した旧南ひやま南農協と、再合併で同農協の経営を引き継いだ新函館農協(函館市、坂本繁組合長)が、旧上ノ国町農協の債権回収をめぐり、見込み額を超える回収実績を得ていたにもかかわらず、合併支援の名目で上ノ国町から過大な補助金を受給していたことが18日までに分かった。同町は補助額が適正でないとして、同農協に事実関係の調査と補助金の精算を求めた。
新函館農協が上ノ国町に提出した資料によると、旧上ノ国町農協の特別管理債権(第3・4分類)の回収見込みは当初、約2800万円だった。99―2003年度までの4年間に見込み額の2倍を超える約5731万円を回収。旧ひやま南農協は約3636万円を債務解消、さらに約1253万円を収益として処理していたことが分かった。
その後、債務者の指摘で、債権回収額が見込み額を上回っていることが発覚。同農協は同町に対して(1)回収総額は約3900万円(2)回収総額のうち約3600万円を債権に充当した―と説明。超過額の300万円分を相殺した1700万円を03年度分の補助金として交付を受けた。だが、提出資料によって、当時の説明内容が事実と反することが明らかになった。
旧上ノ国町農協は、旧ひやま南農協への合併前に約5億1400万円の欠損金を抱えていた。上ノ国町は農協側の要請で、自助努力や北農中央会(札幌市)の支援でも穴埋めできない1億円を、5年間に分けて合併支援対策の補助金として交付することを決定。99―03年度までの5年間に合計9700万円を交付した。
工藤昇町長は「農協と北農中央会の要請で不足分を支援したが、町が欺かれる形になり憤りを感じる。類似した問題を抱える乙部町と連携しながら真相を解明したい」と話している。
上ノ国町は18日、同町役場を訪れた新函館農協のmネ谷芳春・企画管理本部長に(1)回収実額の確認と証拠提示(2)債権回収額に関する当初説明と提出資料の差(3)旧上ノ国町農協が回収した債権が不適正に移管されていないか―の3点について、早急に調査、報告するよう求めた。
提供 - 函館新聞社
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