在札総領事館函館事務所移転先に旧ロシア領事館が浮上
update 2004/10/13 10:18
1944(昭和19)年に閉鎖した旧ロシア領事館(函館市船見町17)が、在札幌ロシア連邦総領事館函館事務所(同市元町14)として再開する可能性が出てきた。12日の市議会決算特別委員会で、市の工藤寿樹企画部長がロシア側と協議していることを明らかにした。実現には施設の利用法や改修費など、さまざまな課題があるが、市国際課は「歴史的な建物が時代を超え、同種施設としてよみがえることはまれ。実現すれば全国でも珍しいケース」と話す。
昨年9月、同函館事務所が開設された際、旧領事館についてロシア側から「歴史ある施設。ゆくゆくは事務所を移転したい」との打診があったことがきっかけ。市は旧領事館の利用策を探ってきた経緯があり、ロシア側の申し入れに対し、検討に入った。
具体的な協議はこれからだが、市は同事務所単独での施設ではなく、日露交流の歩みについて学べる、資料室的な機能も持たせたい考え。市はロシア側との話し合いを続け、本年度末までに一定の方向性を出す方針。
旧領事館は08(明治41)年に完成し、44年に領事が引き揚げ閉鎖するまで使用された。65(昭和40)年に市が外務省から施設を引き継ぎ、「道南青年の家」として一般開放。96年に市青少年研修センター(同市谷地頭町5)が開館したことに伴い閉館。現在は使用されていない。
レンガ造り一部2階建てで、延べ床面積は約680平方メートル。このほか、市が増築した宿泊棟もある。部分的に改築されているが、建物全体の造りや内外の装飾などからは、帝政ロシア時代の面影をしのぶことができ、観光スポットの一つとしても知られている。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。