ピースウオーク・強制連行の歴史たどる

update 2004/10/10 14:52

 函館市内の戦争被災地を見回って調べる「ピースウオーク04」が9日開かれ、第2次世界大戦中に中国・朝鮮人の強制連行で建設した函館港・有川ふ頭の遺構をたどった。

 北教組函館支部などの主催。労組の組合員や小学生ら約100人が参加し、旧国鉄の五稜郭操車場やJR有川引き込み線付近約4キロを、2時間かけて歩いた。

 有川ふ頭は大戦中、石炭や食料など軍需物資の輸送強化のために建設。強制連行された中国・朝鮮人や米英捕虜、学徒動員の学生らを労働力に、突貫工事で進められた。工事にかかわった中国人は約300人、朝鮮人は約500人とみられ、このうち中国人19人、朝鮮人13人が病気や栄養失調などで亡くなったという。

 有川ふ頭では防空ごうを兼ね、空洞になっている岸壁などを見て、戦争の生々しい傷跡を再確認。参加者からは「亡くなった人たちの痛みが分かった」「初めて知ることばかりで参加して良かった」などと、感想が寄せられた。

 案内役を務めた「函館空襲を記録する会」の浅利政俊代表(73)は「悲しい歴史を子や孫に伝え、中国や韓国などとの心の隔たりを埋めていく学習が必要だ」と話していた。

提供 - 函館新聞社



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