文教通・函渠方式で来年度以降整備へ
update 2004/10/6 11:07
函館市は5日までに、1995年から建設がストップしていた道道「文教通」(延長2・4キロ、日吉町―戸倉町)について、工法を「高架橋」方式から、土中に四角いコンクリート製の構造物を埋め込む「掘割ボックスカルバート(函渠=かんきょ)」方式に変更して整備する方針を決めた。7日の市都市計画審議会で都市計画変更の予備審議を行う。本年度中に都市計画を変更し、来年度以降、事業化に向け国との協議に入る見通し。
市は9月28日以降に3回、関係地域の住民約2250世帯を対象に説明会を開き、約1割の約230人が出席した。早期建設を求める声が多く、市は「一部に反対はあったが、大多数の方は建設に賛意を示していた」(土木部)とし、住民の理解が得られたと判断した。
計画変更区間は日吉中央通から市道湯川高丘線の1350メートル。バリアフリー対応とするため歩道部分を2メートルから4メートルに広げるなど、幅員を旧計画の16メートルから21メートルに拡幅する。函渠部分(約210メートル)などの本線幅員は18・5メートル。函渠部分のうち約130メートルにある「屋根」部分の上部は、公共空間として利用する。
文教通は、産業道路(道道函館上磯線)と道道函館南茅部線が交わる湯の川橋付近の渋滞解消策の一環として、85年に都市計画決定された。日吉町、榎本町、高丘町、滝沢町などの住民の多くは、幹線道路に出る際、この渋滞に巻き込まれているのが現状。
このため、同地域の住民のほか、渋滞をかわす車両は、同地域を走る通称「近道線」(市道、幅員約4メートル)と呼ばれる未舗装道路を利用している。現在では1日約8000台が通行し、歩行者との接触事故の危険が絶えない。救急車など緊急車両の通行への影響も懸念され続けている。
95年以降、市と道は「高架橋」を利用する旧計画での整備を住民と協議。しかし、高架橋予定地近くの住民を中心に、公害や騒音への影響を指摘する声が強まり、97年に頓挫。2001年11月に道と協議した市は、堀割函渠方式を住民に提示、同12月には地元8町会と1団体から整備促進要望が出されるなど、函渠方式での建設の機運が高まっていた。
その後、市が住民との協議を進める一方、函館土木現業所は02―03年にかけて地質・環境調査を実施。新工法での着工にめどがつき、今回の住民説明会開催となった。(吉良 敦)
提供 - 函館新聞社
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