道水が来年からメキシコでキハダマグロの畜養へ

update 2004/10/6 11:06

 総合水産商社の道水(函館市豊川町27、高野元宏社長)は来年から、メキシコ北西部のラパスで、キハダマグロの畜養を始める。世界的にも成功事例のない事業だが、準備は順調。市場に安定供給し、ニーズの掘り起こしを進める。

 同社海外事業部によると、キハダは、関東以北ではなじみが薄いが、脂が乗っており、西日本では定評がある。体長2メートル、体重200キロにもなり、本マグロ(クロマグロ)と型もほぼ同じだが、価格は本マグロの半値以下。安定して出荷ができれば、一定の需要が見込めるため、2年前から準備を進めてきた。

 同社の畜養事業は、マグロ人気を受け、2000年、地中海のマルタでスタート。02年には、ラパスと同じカリフォルニア半島北部にある、メキシコのエンセナダに進出した。両沖とも、本マグロの畜養で、年間水揚げ量は2000―3000トンに上る。

 エンセナダへの展開は、キハダの畜養に向けた布石で、本マグロの畜養ライセンスを持つ企業を買収。本マグロで実績を作りながら、メキシコ政府にキハダの畜養認可を要請し、8月に認められたという。

 畜養は、巻き網漁で捕獲したマグロを生きたまま、大型のいけすに移して育てる仕組み。ラパスでは、直径50メートル、深さ50メートルのいけすを6つ用意し、来年1月から漁を開始する。

 キハダの畜養は、世界で数社が挑んだが、最適な場所を確保するのが難しく、確固とした実績を上げていないという。同社は、キハダの漁場が近く、海水温もちょうどよいなど、好条件の海域を押さえており、事業成功に自信を持っている。

 初年度の出荷量は500トンを予定。マルタ、エンセナダ同様、現地から空輸し、全国各地に送る。同社は「当社にとっても試験的な取り組み。もし人気に火が付けば、年間5000トンまで出荷量を引き上げられる」と話している。

提供 - 函館新聞社



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