道高校陸上新人大会・男子800メートル/函工2年吉田新悟が大会新

update 2004/10/6 11:05

 このほど帯広で行われた、陸上競技の第20回北海道高校新人大会(道陸上競技協会など主催)で、吉田新悟(函工2年)が男子800メートルで1分55秒41の大会新記録をマークし優勝、男子の最優秀選手賞を獲得した。吉田は昨年の同大会で途中負傷する苦い経験を持ち、冬場の体づくりから見直し2度目の挑戦でベストタイムを打ち立てた。雪辱の舞台を最高の結果で飾った吉田は、「悔しい気持ちを力に変えられた」と笑顔を見せている。

 吉田は中島小、凌雲中時代はサッカーに打ち込んでいた。中学3年の時、たまたま出場した中体連大会の1500メートルで全道出場を果たしたのがきっかけで、陸上への本格転向を決意。FWとしての瞬発力と試合で鍛えた持久力を生かした中距離走で記録を伸ばしている。

 昨年の道新人大会では、準決勝で疲れから右足の太ももに痛みが出て、最後はまともに走れなかった。2分07秒台で7位。その悔しさが急成長の原点だ。オフシーズンも仲間と一緒に学校周辺の走りこみや筋肉トレーニングにみっちり汗を流してきた。

 身長176センチ・体重57キロのスリムな体格。「体型の変化も手応えもなかった」が、冬越しの努力は早速実を結んだ。5月の高体連春季大会で2分台の壁を破る1分59秒台をマーク。念願のインターハイ出場も果たし、道新人大会も各支部の予選記録ランキングで1位という肩書きを引っさげて挑んだ。

 ランキング1位のプレッシャーもあったが、レース前に他の部員に手の甲や腕にメッセージを書いてもらい落ち着いて臨んだ。後半スパート型だが、決勝では昨年の悔しさを打ち消すように前半から積極的に仕掛け最後は独走でゴール。これまでの自己ベストを2秒以上縮め、大会記録を0秒38更新し、「今までで一番満足できるレースだった」。力を出し切った内容に心底満足できた。

 「走れない」冬場の重要性を実感しているからこそ、MVP受賞者はどこまでも謙虚だ。「陸上経験が浅い自分が記録を伸ばせたのは、冬も一緒に頑張れる一生懸命な仲間が周囲にいたから。来季も成長できるようしっかり練習したい」。インターハイ道予選で優勝して最後のインターハイに臨むのが次の大きな目標。さらなる情熱を燃やし続ける。

提供 - 函館新聞社



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