三和不法投棄事件で白樺を不起訴

update 2004/10/5 10:09

 三和廃棄物処理産業(現・清算法人)の不法投棄事件で、函館地検は4日までに、同社処分場の原状回復作業にかかわり、産業廃棄物を不法投棄したとして、廃棄物処理法違反容疑で書類送検された食品会社「白樺」(函館市東山1)と元男性従業員(23)について、嫌疑不十分で不起訴処分とした。

 元従業員は昨年9月30日、同市東山町の同処分場内で、木くず破砕機の基礎を設置するため穴を掘り、原状回復作業で生じたコンクリート殻(約526立方メートル)を埋め立てたとされる。

 同地検は「元作業員は地盤を固め、整地するためにコンクリート殻を捨てたと話している」として、「廃棄物処理法で禁止されているみだりに捨てたことには該当しない」と判断した。

 同法第16条では「何びとも、みだりに廃棄物を捨ててはならない」と規定している。

 白樺の廃棄物埋め立てをめぐっては、周辺住民でつくる「東山地域環境対策委員会」が昨年12月、函館中央署に捜査要望書を提出し、今年1月には同地検に告発。函館市は不法ではなく不適正な処理とみなし、告発を見送ってきたが、同署が今年3月、同法違反に当たるとして、書類送検していた。

 同対策委事務局の築田敬子さんは「納得せざるを得ないが、法が人を守るためになっていない。しっかりした条文に改正するなど新しい問題が残った」とし、函館検察審査会に不服申し立てしない方針。

 函館市の西尾正範助役は「過去の事例や法解釈などから、不法投棄ではないとした行政判断が、結果として司法の判断と一致したと受け止める」とコメントしている。

提供 - 函館新聞社



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