日銀、8月の道南経済動向、依然厳しい状態続く

update 2004/10/4 10:03

 日本銀行函館支店は、8月の道南地方経済動向を発表した。主力の観光が、国内ツアー客の減少に歯止めがかからず不振で、個人消費の一部が、アテネ五輪開催や猛暑に伴い上向きとなったが、総体的に低調。企業間格差も進んでおり、「依然厳しい状態」との基調判断を続けている。

 観光客の減少は、海外客が高水準を維持しているが、国内客が、沖縄などの南国人気に押され気味。大手航空会社の函館線減便が加わり、函館空港の乗降客数は前年同月比11・3%減の24万8000人と、4カ月連続の前年割れだった。ホテルの宿泊者数(主要15社)が同8・9%減。主要観光施設は、函館山ロープウェイが天候に恵まれ同5・9%増だったが、五稜郭タワーが同0・8%減と前年を下回った。

 個人消費では、五輪効果でDVDレコーダーや薄型テレビが売れた上、猛暑により、エアコンや扇風機などの夏物が伸びた。大型小売店(同10社)の売上高は、猛暑が裏目に出て、秋物が売れず、同9・9%減。昨年8月の函館西武閉店の1社はく落も響いた。

 そのほか、電子部品がデジタル家電向け部品の受注によりフル稼働が続き、造船も安定した操業。水産加工業が同2・3%と2カ月ぶりのプラスだった。ただ、公共事業関連が9・1%減と苦戦し、一般機械も全体としては低水準。漁業がマイカ漁で伸び悩んでいる。

 同支店は「業種を問わず、『勝ち組』と『負け組』の差が広がっている」と企業間格差を懸念。「勝ち組は、キャッシュフロー(資金の流れ)が潤沢で、前向きな設備投資を続けているが、負け組は苦境に立たされたまま」と指摘している。

提供 - 函館新聞社



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