パラオから発注の船が台風で足止め、引き渡しが遅れ関係者に焦り

update 2004/9/30 10:22

 南太平洋のパラオ共和国の発注で、函館市内の函東工業(浅野町3、千田忠雄社長)が建造したフェリーボート「プルメリア」(28トン、4人乗り組み)の引き渡しが、大幅に遅れている。8月中旬、同国に向け出発したものの、29日現在、いまだ沖縄県石垣島の近海。日本列島に上陸している台風21号でも約1週間の足止めを食らった。パラオ政府からも問い合わせが相次いでおり、関係者は頭を悩ませている。

 同船は8月17日に函館港を出た後、太平洋回りで9月初めにも同国に到着、引き渡す予定だった。しかし、台風15、16号が相次いで上陸し、宮城県気仙沼市などで約2週間、台風18号では小笠原諸島の父島で約10日間の停泊を余儀なくされた。

 今回の台風21号でも航行を阻まれたが、石垣島に停船中に燃料補給を済ませ、29日午前、目的地へ再び進路を取ったという。同島からパラオまでは約2080キロで、順調にいけば1週間前後で到着できる見込みだ。

 同船はパラオ共和国から受注し、完成させた1隻目。貨物や自動車の運搬船として、パラオ諸島本島と周辺の島との運航を計画している。

 7月初めに同国の外相ら数人が井上博司函館市長を表敬訪問した際、「2隻目」も発注する考えを表明しているだけに、引き渡しの遅れに関係者も歯がゆそう。パラオ政府からは「遅い」「どうなっているんだ」などと催促の声が上がっている。同社は「海上の荒れや、台風が来れば再度遅れる可能性もあるが、何とか無事に任務を果たしたい」とやきもきしている。

提供 - 函館新聞社



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