帆越山トンネル 早期開通で陸の孤島回避

update 2004/9/26 14:00

 【大成】8月3日に供用を開始した道道北檜山大成線の帆越山トンネル―。開通に伴い廃道になった海岸沿いの旧道が、台風18号(8日)に伴う高波で壊滅的な状態となっていることが分かった。地域住民は「開通があと1カ月遅ければ陸の孤島になっていた」と、トンネルの早期開通を感謝する声も上がっている。

 大成町富磯と太田を結ぶ同トンネルは全長1857メートル、幅7・5メートル。総工費約46億円。2000年度に整備に着手。当初は8月下旬から9月上旬の開通を予定していたが、工期の短縮により開通が早まった。

 トンネル開通により廃道となったのは海岸沿いの2・3キロ区間。一般車両が通行できないようフェンスで封鎖されている。

 旧道は、猛烈な高波に襲われ、至る所で岩盤がむき出しになったり、アスファルトがめくれ上がったりして、原形をとどめていない。かつての路面には、約10メートル下の海岸から打ち上げられた、岩や消波ブロックが散乱し、岩場のように姿を変えている。100メートル以上にわたり路盤ごと海中に崩れ落ち、旧道が消滅している場所も。

 現場を訪れた工事関係者は「1カ月前までここを車が走っていたとは思えない。供用開始が遅れ、人や車が巻き込まれるようなことがあったら…」と絶句した。

 旧ルートは、廃道になる前にも落石や斜面崩壊、高波が多発。民家31戸がある太田地区は迂回(うかい)路が無く、規制のたびに周辺地域との交通が途絶した。函館土現によると、2003年8月から今年3月末までに高波で12回も通行が規制されたという。

 太田地区に住む60代の男性は「トンネルが開通していなければ、復旧には年単位の時間を要したはず。不通区間を船で往来することになった。救急車など緊急車両も来られず、不便な生活を余儀なくされただろう」と語る。

提供 - 函館新聞社



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