旧南ひやま農協が不適正経理
update 2004/9/25 17:00
【乙部】1999年に江差、乙部など5農協が合併し発足した旧南ひやま南農協が、旧乙部町農協の土地売却益など合計7888万円を不適正な形で収益として処理していたことが分かった。再合併で同農協を引き継いだ新函館農協(坂本繁組合長)は24日、同額を地元に返還する方針を寺島光一郎乙部町長に伝えた。
新函館農協の坂本組合長、小野寺仁組合長代行ら幹部6人が寺島町長を訪ね、不適正な会計処理を事実上認め、7888万円を返還する意向を伝えた。返還方法は今後協議する。
同町によると、乙部町農協の資産整理で生じた、土地売却益約4900万円、元組合員の出資金約1090万円など合計7888万円が可処分資産に当たるにもかかわらず、全額が99年6月の合併時に仮受金の名目で南ひやま農協に移管、収益として処理していた。
会計処理は、農協の財務運営を指導する北農中央会(札幌市)の派遣職員が主導。事前に売却益などの詳細を把握していながら、乙部町農協理事会の承認を得ず、99年1月の総会にも報告しなかった。合併支援の補助金を支出した同町にも知らせていなかった。8月に始まった返還交渉で北農中央会は新函館農協に「返還の必要はない」と強硬姿勢を示したという。
乙部町農協は、合併前の98年11月時点で、約6億3917万円の欠損金を抱えていた。組合員らの自助努力と、町の補助金1億3000万円(1999年度から5年間交付)などで、約2億4000万円の負債を処理した。残額を北農中央会が道の制度融資を通じて4億円を支援。旧理事7人は国営造成事業償還金などの債務約1億5400万円を個人負担した。
寺島町長は「売却益は債務を負った理事や地元の農業振興のため返還されるべきだった。会計処理に北農中央会が深く関与している印象を受ける」と話した。町議会でも「北農中央会が組織的に不正経理を主導したのなら、全道の農協合併で同様の処理が行われている可能性もある」として、真相究明を道に求めるべきとの声が上がっている。
提供 - 函館新聞社
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