道南の野菜、台風の影響で価格高騰

update 2004/9/23 11:32

 今月8日の台風18号がもたらした暴風の影響で、道南の野菜価格が前年同期と比べ2割ほど値上がりしている。塩分を含んだ強風で、農作物の葉や実が強制脱水や塩害で品薄状態になったのに加え、道内産と本州産との端境期も重なったためだ。今後、さらに値上がりが懸念される野菜もあり、食卓への影響も出そうだ。

 函館市中央卸売市場の卸売会社、東一函館青果では、9月1―22日の入荷量が、前年比1割減の落ち込み。逆に総単価は1キロ当たり150円と、昨年の125円を25円上回った。

 品目別に見ると、森町産のトマトは、9月上旬は1箱(4キロ)当たり1500円だったのが、台風直後の10日前後には2000―2500円に跳ね上がった。上磯、大野、七飯各町産のキュウリは1箱(5キロ)1000―1500円が、直後には2倍近い2000―2500円に。19日以降、若干落ち着きを見せ、1500―2000円となった。

 同社は、道内で比較的被害が少なかった伊達市や厚沢部町など、他産地からの出荷で対応。今後は、道外への出荷要請も考えているという。

 卸売価格の高騰は、市内の商店街やスーパーなど、小売店にも及んでいる。函館市内、近郊でスーパーを展開する北海道スーパーマーケットダイエーでは、9月上旬に1本40円だったキュウリが、2倍近い70円に。「一つ一つを高単価にしない工夫として、それまで3本売りだったが、同じ価格で2本売りにした」(同社)という。

 “市民の台所”中島廉売(中島町)の竹内青果店は、「価格が2割上がり、野菜全般が品薄状態。売る方も買う方も大変だ」と、やるせない口ぶり。

 また、これから迎える漬物の季節に欠かせないダイコンも、葉の部分が被害を受けているとみられる。東一函館青果は「出荷量は昨年の半分近くまで減ることもあり得る」と予想。1キロ当たりの価格も、昨年の30―50円に対して「2倍の100円になる可能性もある」と話している。

提供 - 函館新聞社



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