能面師伝野さんが22日から五稜郭公園で能面展開催

update 2004/9/21 10:14

 函館市美原の能面師、伝野義丸さん(58)が22日から25日までの夜間、第5回能面展を同市の五稜郭公園内特設会場で開く。午後6時から9時まで、野外に展示した能面をろうそくの明かりで照らし、能本来の魅力を醸し出す。伝野さんは「日ごろ能に触れる機会が少ない市民に日本の伝統文化を本来の形で演出します」と来場を呼びかけている。

 伝野さんは宮城県に住んでいた22歳の時、能面作りを始めた。1984年から市内で能面作りの教室を始めるなど、能の心を伝える普及活動をしている。展覧会は同年に初めて行い、今回は89年以来。作品は小面(こおもて)や猩々(しょうじょう)など計10点を展示する。

 能は薪能など野外で行うことが本来の姿。伝野さんは展覧会を夜間に野外で行う夢を以前から抱いていた。最近になって美術の仲間などに構想を話すと話が盛り上がり、実現の運びに。「ゴルフ場など、山間地での開催を考えたが、多くの人に能の文化に触れてもらおうと市内で開催することになった」と声も弾む。

 作品を公園内の木につるして展示するだけでは能の妙味が伝わらないため、さまざまな工夫を考えた。びょうぶの角度を工夫し、周りの作品が見えないように展示。「一つの作品に集中して見ていただきたい」と話す。能面を照らすのはろうそく。音と空気に反応し、炎が揺らぐ機械を設置し、薪能の雰囲気を演出する。能面は雨や風に弱いため、期間中は毎日、開催の約2時間前に展示作業を始め、終了とともに片付けるという。

 夢の実現に「楽しみが少し、不安がいっぱい」と話すが、「次回は夜桜の下で行いたい。そのためにもたくさんの人に来てもらい、感想をいただきたい」と意欲を見せている。

 同展の場所は道立函館美術館前、ときわ通り沿い。問い合わせは伝野さんTEL46・5876。

提供 - 函館新聞社



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