大野の測量標石を道史跡、福島の宮歌村文書を道文化財の指定へ
update 2004/9/18 10:07
【大野、福島】道教委は、大野町一本木の北海道三角測量函館検基線西側標石を道史跡に、福島町の宮歌八幡神社に保存されている「宮歌村文書」を道文化財に指定する方針を固めた。道文化財保護審議会の答申を受けてのもので、22日の委員会で正式に決定する。
三角測量標石は、道開拓使が地形を正確に把握する目的で、1875(明治8)年、亀田郡亀田村(現・函館市田家町)との間を三角測量の検基線に定め、両端に設置したうちの一つ。双方の標石を結んだ一辺から三角形を次々と作り出して距離を算出する手法で、本格的で精度の高い測量を行った。道史跡指定は25カ所目で、大野では初めて。
宮歌村文書は、宮歌八幡神社で保存する日記など古文書計87点。江戸初期から明治後期までの233年間にわたる、旧宮歌村(現・福島町宮歌地区)に関する記述で、当時の漁村の生活を記録。同村は、松前藩に隣接する江戸幕府の直轄領。江戸への献上品なども克明に記されている。道文化財の指定は2年ぶりで71件目。
それぞれの町では、道教委の方針が決まったことで、指定に向けて尽力してきた関係者から喜びの声が上がっている。
大野町教委は「本当に喜ばしいこと。町民に親しんでもらうために、どう利活用するかを考えたい」とコメント。町文化財保護研究会の木下寿実夫会長は「道史跡への指定を町に要望したり、標石周辺の草刈りをするなどして周辺環境の維持に努めてきたかいが実った」と話している。
一方、福島町教委は「申請から10年以上が経過しており、文化財指定がかねてからの悲願」と一様に笑顔。古文書が発見されるきっかけともなった町史編さんに参画していた福島町史研究会の常盤井武宮運営委員長は「古文書の歴史的価値が認められうれしい。町全体にとっても喜ばしいこと」と語っている。(千葉卓陽、阿部里子)
提供 - 函館新聞社
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