エア・ドゥ、期待と不安の声

update 2004/9/17 10:13

 エア・ドゥが函館―羽田線乗り入れを国土交通省に申請した16日、函館の関係者からは、期待と不安の声が上がった。“割引運航の旗手”の参入を歓迎する姿勢が大半を占めたが、大手2社の均衡が崩れ、大手の減便や撤退につながることを懸念する声も根強く、さまざま思いが交錯している。

 同社の発表を受け、函館市の井上博司市長は「函館空港の利用客数増加につながることが想定され、国際観光都市函館にとり、望ましいものと考える」とコメント。函館商工会議所の高野洋蔵会頭は「競争原理で低廉な運賃実現につながることから、経済界としては歓迎。期待している」とした。

 市や経済界が同社に就航要望をしたことがないのは事実。同社の函館関係者への説明も9、10日に突然打診したこともあり、当惑気味だ。

 一部の関係者が、エア・ドゥ参入を不安がる背景には、大手の4月以降の減便がある。函館―羽田線は昨年、全日空(ANA5)往復、日本航空(JAL)5往復の計10往復だったが、JALと日本エアシステム(JAS)の完全統合で大手間の競争が激化すると、他の地方路線同様、同線を減便。ANA4往復、JAL3往復となった。

 エア・ドゥが、1日2往復体制を発表したが、ANAとのコードシェア(共同運航)をどの程度行うかは示されず、総便数は分からないまま。「ANAはエア・ドゥ参入を口実に減便するのでは」とささやかれる。

 JALに対してはさらに深刻。業界内では、整備・カウンタースタッフの人件費などの固定経費を考慮すると、4往復以上運航しなければ、採算割れと言われているため、多くの関係者がJALの羽田―函館線を赤字とみている。「JALも増便してくれればいいが、不採算路線として切り捨てられたら大問題」(地元関係者)といい、大手の動きが注視されている。

提供 - 函館新聞社



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