台風で国道寸断、整備促進求める声高まる
update 2004/9/15 10:06
【江差】台風18号に伴う高波で、檜山管内の日本海沿岸では8日のピーク時には、国道で7区間・約80キロが通行規制された。代替路が無い江差、上ノ国、熊石など各町では、数時間にわたり交通が途絶。逃げ道を失った住民を不安に陥れた。被害を受けた各町からは、大災害を想定した代替路整備や道路の安全性向上を求める声が高まっている。
江差町では、国道227号が、町役場北側の愛宕町から柳崎町までの5・8キロ、同じく南側の津花町から上ノ国町北村までの6キロが通行止めとなり、町の南北を走る動脈が寸断された。
函館方面に向かう車両は、未舗装の町道を迂回(うかい)したが、対面通行が難しく大きな障害となった。濱谷一治江差町長は「陸の孤島になることは避けられたが、物流や経済には深刻な影響を与えた。災害に備えた対応策が必要だ」と語る。
江差町で国道が寸断されたため、上ノ国町から函館に向かうルートは、山側の町道と道道江差木古内線だけとなった。工藤昇上ノ国町長は「道道は大雨が降れば通行規制となり、緊急ルートととして懸念がある。町が孤立する可能性もあった。大災害が発生すれば住民の避難路のほか救援を受け入れるルートが失われる恐れがある」と懸念を示した。
熊石町でも沿岸の国道229号が南北で寸断。八雲町に向かう国道277号も、雲石峠が倒木で通行不能となり、周辺から孤立した。
管内10町で組織する、檜山総合開発期成会(会長・平田泰雄瀬棚町長)や、管内町村会(会長・寺島光一郎乙部町長)は、これまでも日本海沿岸の災害に強い道路整備を、国や道に要望してきた。今回の台風災害を受け、各町では整備促進を求める声がさらに増している。
濱谷江差町長は「台風18号を教訓に、災害に強い道路整備を地元住民の切なる願いとして国や道に要望したい」し、工藤上ノ国町長は「安心して通行可能な代替路が確保できれば沿岸住民の安心感は増す。今回の災害で代替路として機能した町道の拡幅や整備強化が必要だ」との考えを示した。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。