新函館市議会誕生へ関連予算5300万円計上、出費に見合う成果課題
update 2004/9/14 10:11
12月1日に渡島東部4町村と合併する函館市の9月定例議会が13日開会し、議員数83人という大所帯議会誕生に向けた関連予算約5300万円を計上した一般会計補正予算案が提出された。大幅な議員増は、編入される4町村議会の要望や、編入する市民の声を反映させた上での選択で、改修費はやむを得ない面もある。問題は、出費に見合うだけの実りある議会として機能するかどうかだ。
議員増に伴う議場・委員会室の改修などが約2200万円、老朽化した議場の音響設備の更新が約3000万円など。
現議場の議員席は、1列16席が3列あり計48席(議員34人)。これに1列18席を2列(36席)増やし、計84席に。最前列の席と理事者席との距離は、3・2―3・9メートルから0・8―1・3メートルとなる。「手狭なのは我慢してもらうしかない」(市議会事務局)。従来の席はいじらず、2年5カ月の在任特例経過後、増加部分は撤去できる造りにする。
また、現在の5委員会室のうちの3室と1会派の部屋を改修し、4町村議員の控え室を設ける。第1、第2の委員会室の仕切りを外して大部屋とし、常任委員会は議場と同大部屋、8階の会議室(2室)で開く。各室の机やいすも購入する。
いずれも簡易な改修工事とし、議員控え室の机は後々、一般職員用がリサイクルできるタイプを選択。同事務局は本会議などをホテルで開くことも検討。しかし、「2年5カ月で2億数千万円かかると分かり、無駄を作らない改修方法を考えた」という。
こうしたハード面での節約は当然だが、議会をどう運営していくか、というソフト面での解決すべき課題は少なくない。
そもそも、4常任委での審議に時間を割く市議会と本会議中心とも言える4町村議会では、審議の進め方が大きく異なる。これまでに決まっているのは、4町村議員にも市議会議員同様、月7万円の政務調査費が支給されること程度。
控え室4室が設けられる4町村議会は、ほぼ会派に準じた扱いとなる見込みで、本会議での質問方法や座席などは協議を詰めている段階だ。
福島恭二市議会議長は「住民の声を反映させるためにも、町村議員はこれからの役割が重要。活発に意見を出してほしい」と話す。一方、市議会内には「最初は黙ってしまう議員が多いのでは」という声も聞かれる。5市町村議会で十分に議論し、合併直後の12月定例議会からの活発な議会活動に期待したい。(吉良 敦)
提供 - 函館新聞社
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