塩害による森林被害、檜山管内全域に拡大。影響長期化の懸念も

update 2004/9/12 13:23

 【江差】8日に日本海沿岸を通過した台風18号の暴風による、塩害が原因とみられる森林被害が、檜山管内全域で拡大している。沿海部をはじめ、山間部でも森林が茶色く変色し、晩秋のような光景が広がっている。

 江差測候所などによると、塩害は海水を多く含む風が植物を直撃、樹木の細胞を破壊する現象。

 管内南部では、台風通過直後の8日午後から江差、上ノ国、乙部の3町沿岸で、海岸の森林や街路樹が変色。9日には一部が枯れ始めた。枯れた植物には、塩の結晶がベッタリと付着していた。大成、北檜山、瀬棚など管内北部3町でも、同様の被害がみられた。

 10日以降は、内陸部の厚沢部町、北部の今金町のほか、約500メートルの標高がある雲石峠や中山峠など、山間部にも被害が拡大。標高が1000メートルを超える乙部岳(1016メートル)や遊楽部岳(1277メートル)、大千軒岳(1071メートル)でも、山頂付近まで植物が変色している。

 江差町の林業関係者は「一過性の影響ならよいが、多量の塩分が土壌中に残留すれば、植物の枯死などの影響が数年間にもに及ぶ可能性もある」と、強い懸念を示している。

 山間部では、マツなどの人工林を中心に、暴風による倒木が相次いだ。檜山森林管理署や檜山支庁で被害の調査を進めている。倒木が電線を切断した影響で、雲石峠ではトンネルの停電が続き、道路を管理する函館開建が注意を呼び掛けている。

提供 - 函館新聞社



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