台風18号、渡島管内の被害額26億円

update 2004/9/11 11:58

 道南に大被害をもたらした台風18号の通過から3日目を迎えた10日、渡島、桧山管内の災害状況が、明らかになってきた。大成町で行方不明になっていた男性が遺体で発見され、道南の死者は2人となった。渡島支庁によると、同日午後6時現在、建物損壊や農漁業被災など同管内の被害総額は26億8345万円に拡大。復旧作業は徐々に進んでいるものの、午後9時現在、道南の770戸で停電が続くなど、依然として市民生活に影響を与えている。

 ■人的被害

 10日午前7時ごろ、大成町太田の太田漁港で、行方不明となっていた同町太田、漁業、天内勝治さん(78)が、遺体で発見された。死因は全身打撲とみられる。渡島、桧山両支庁によると、発生以来の死者は道南で2人、負傷者は24人に上った。

 函館市が開設した4避難所のうち、市民の退去に伴い3カ所が10日までに閉鎖した。残る1カ所の1人も近日中に退去する見込み。

 奥尻町では道道奥尻島線の道路決壊で、青苗、米岡など672世帯、1543人が、役場やフェリー桟橋がある奥尻地区から孤立している。

 ■被害状況

 渡島支庁がまとめた10日午後6時現在の同管内被害状況では、建物損壊は全壊101件、半壊340件などで、被害額4571万円。農業被害額は21億円を超している。漁船被害額は1億4030万円、漁業被害額は2億3397万円に拡大。

 桧山支庁などによると、同管内の建物損壊は全壊58件、半壊19件、一部破損453件で、大成、奥尻両町で増加している。農作物は田畑2833ヘクタールで被害が判明し、漁船の沈没、流出は157隻に上った。

 函館市消防本部のまとめでは10日午後4時現在、市内の被害状況は住宅などの半壊が15件、部分損壊が418件、物置などの全壊が7件、半壊が16件、一部破損が170件。

 ■停電・交通

 北電によると、午後9時現在、道南で停電が続いている770戸は、七飯町、森町、鹿部町の渡島管内の3町。内訳は七飯町490戸、森町250戸、鹿部町20戸で、復旧率99%に達した。

 道道はほぼ復旧したが、一部に通行止めが残る。函館山登山道路の道道立待岬函館停車場線は10日午後6時に開通、下山口の市道は同日朝に通行可能になった。函館山ロープウェイ(函館市元町19)は山頂の停電が復旧し、10日午後3時から運転を再開した。

 ■函館市

 函館市役所本庁舎に設置の臨時相談窓口には10日までに127件の相談が寄せられた。「トタン屋根など飛来物の処理」「家屋修繕に低利な融資制度の紹介」などが主な内容。

 ■その他

 被害の拡大を受け、自民党道連(橋本聖子会長)と民主党道南総支部(金田誠一代表)が、相次いで被害対策本部を設置した。

提供 - 函館新聞社



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