台風18号/歴史的建造物にも被害、樹木や電柱の折損や倒壊も

update 2004/9/9 10:26

 函館市内では強風の影響で、建物の破損や電柱の倒壊などが相次いだ。函館市消防本部によると午後3時現在、建物の全壊は非住居2件。半壊は住宅が弥生町のアパート(7世帯10人)1件で、一部破損は住宅147件、非住居40件に上った。

 被害はJR函館駅前の函館朝市や、十字街などの商店街にも。同市末広町の「中村海産物干物店」は1カ月前に改修したばかりの、木造の正面部分がすべてはがれた。店主の中村潤子さん(66)は「きれいに直したばかりなのに。自然の力なので仕方がないが」とがっかり。同町の会社員、石原亮一さん(65)宅は屋根が飛ばされ、約10メートルのアマチュア無線アンテナも真っ二つに折れた。

 大野町ではスポーツセンターのトタン屋根がはがれ、奥尻町役場の屋根が破損したほか、道南各地で建物被害を確認。各漁港ではプレジャーボートの流出、転覆が相次ぎ、江差町や福島町などで床下浸水があった。

 国指定特別史跡「五稜郭跡」がある五稜郭公園(五稜郭町)では、外堀東側のアカマツなど約70本が折れた。サクラの3分の2が、強い潮風を受けて赤茶け、「潮焼け」状態に。管理事務所の川井清美主任(49)は「12年間管理しているが初めてのこと。来年のサクラが心配」と話す。

 函館八幡宮(谷地頭町)では、1915(大正4)年に完成した聖帝八棟(しょうていやむね)造りの社殿の、銅ぶき屋根の一部がはがれ、透(すき)塀が約20メートルにわたり傾いた。参道ではヒバ、ヒノキなど30本以上が倒れた。

 同市西部地区にある伝統的建造物(76件)では10件に被害。屋根がはがれるケースがほとんど。このうち「小形家住宅」(元町17)でも屋根がはがれ、住んでいる小形昌靖さん(60)は「午前6時半ごろにドーンと大きな音がした。雷かと思った」と、驚いた表情。

 はこだて公園(青柳町17)内にある道指定有形文化財「旧函館博物館1号」と、1917(大正5)年建造の市立函館図書館書庫(5階建て)でも屋根の一部が破損した。

 また、同市桔梗から七飯町峠下までの国道5号(赤松街道)にあるアカマツ並木(14・3キロ)では、アカマツ6本が折損した。

提供 - 函館新聞社



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