台風18号/七飯町のリンゴに壊滅的被害

update 2004/9/9 10:25

 強風の影響で、収穫期を間近に控えていた七飯町のリンゴが次々と落下し壊滅的な打撃。生産農家は8月20日の台風15号に続く「ダブルパンチ」に、大きなショックを受けている。

 町内鳴川の「村瀬果樹園」では、台風15号で約6割のリンゴが落下しており、今回の強風で残ったリンゴのほとんどが落ちた。10月下旬収穫予定の「レッドゴールド」のほか、11月を予定していた「ふじ」は、青いシートを実にかぶせていたままだった。

 村瀬佳代子さん(48)は、落ちたリンゴを眺めながら「枝が付いたまま落ちたものも多く、来年に影響する。落ちなかったものも枝ずれがあり、厳しいですね」と、がっくりと肩を落とした。

 また、七飯町や大野町、江差町ではトマトやアスパラ、タマネギなどのビニールハウスが破損、飛散する被害も多く発生。

 七飯町豊田の農業、大森昭夫さん(60)はハウス5棟のうち4棟でビニールが破損。中でも収穫済みのタマネギを保管していたハウスは半分以上が飛ばされ、「特に対策はしていなかった。ふだんとは逆の風向きなので、塩害もあるのでは」と険しい表情。

 大野町白川の農業、対馬清勝さん(55)は3・5ヘクタールの水田できらら397を栽培。風にあおられたが稲穂の倒伏はなかった。だが、所有するハウス15棟すべてのビニールが吹き飛び、「張り替えには1棟あたり約4万5000円がかかる。助成金でも出ればいいけど」と話していた。

 また、漁業被害では、瀬棚町と、奥尻町で漁船各1隻が沈没、大成町で漁船1隻が転覆した。漁業関係施設では、大成町の水産種苗育成センターで、ポンプ室が高潮で冠水したほか、江差町で港湾荷さばき場の屋根が破損。ひやま漁協関係では、大成町と乙部町の荷さばき施設が冠水するなどの被害があった。

提供 - 函館新聞社



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