函教大生が同級生の活躍祈り100キロ完走

update 2004/9/6 10:12

 道教育大函館校(函館市八幡町)公式野球部主将の木村敏之さん(4年)が、来春卒業する同級生の健勝と活躍を祈ろうと、長万部町から学校までの100キロマラソンに挑戦、23時間激走し5日夜、見事完走した。木村さんは「思わず口にしたことが現実になりました。この2日間、人の優しさに触れました」と語り、出迎えた同級生や後輩に頭を下げた。

 今年7月に放送されたテレビ番組を見て、「自分も100キロを走ってみたい」と友達に話したところ、話が盛り上がり挑戦することに。サポートする仲間たちと「トシマラソン2004」と名づけ、そろいのTシャツを作り気分を盛り上げた。

 事前の練習は、日ごろの野球部の練習で行った約10キロの走り込みだけ。同部は8月末に道学生野球連盟2部秋季リーグで優勝、来春からの1部昇格を確実にしており、「良い気分でスタートの日を迎えられた」と振り返る。

 スタートは4日午後9時。「それまで緊張はなかったが、走り始めたら急に不安になった」と木村さん。八雲町の約40キロ付近で左足に痛みが走った後は休みを多く取り、1時間を約5キロのペースで走った。懸命に走り続ける姿に感銘を受けた人から、ラーメンをごちそうされたという。

 学校ではゴールの約1時間前から野球部員や同級生約50人が集合。A4判の紙に一人一人が「おめでとう」「あきらめず、責任を果たす大切さを教えてもらいました」などのメッセージを書き込み、テープでつなぎ合わせてゴールテープを作り、到着を待った。

 午後8時すぎ、木村さんの姿が校門に現れると、全員が大拍手で出迎え。歓声に応え、両手を上げ同8時5分、伴走した仲間とともに歩くようにゴールした。

 木村さんは「100キロは長かった。森町を越えるときが辛かった。達成感で満ちているが、世の中厳しいことを知りました」と笑顔で完走を喜んだ。自転車で走りを支えた橋元良太さん(4年)は「足を痛めてから辛そうな感じだった。自分も自転車で100キロ走り抜けたことが、今後の人生に役に立つだろう。木村君に感謝です」と健闘をたたえていた。

提供 - 函館新聞社



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