檜山管内・日本海沿岸8町 総合防災訓練実施4町だけ、管内全体では6町が休止
update 2004/9/4 20:23
【江差】檜山管内で地震などに伴う津波災害が想定される日本海沿岸8町のうち本年度、住民避難などを盛り込んだ、総合防災訓練を実施・計画している町は、上ノ国町など4町に過ぎないことが、本紙の取材で分かった。江差町など4町では訓練休止が長期化。過疎化や訓練のマンネリ化で参加者確保に苦悩する町役場の姿も浮き彫りになった。
本年度、訓練を実施・計画しているのは上ノ国(3日)、乙部(10月)、大成(9月)、奥尻(1日)の4町。大成町以外は毎年実施している。
上ノ国町で3日に行われた訓練には、原歌・大崎地区で約40人が参加した。同町は約30キロの海岸線を3地域に区分、持ち回りで津波災害を想定した訓練を行っている。
同町の宮津光則助役は「継続が防災意識向上につながる。相次ぐ台風への備えでも、目に見える形で成果は反映されている」と胸を張る。
本年度は訓練を実施しない、または未定の町は、江差、熊石、瀬棚、北檜山の4町。瀬棚、熊石の2町は不定期、北檜山町は道の防災予警報伝達訓練に合わせて、情報伝達などを訓練する。
2001年度以降、訓練を行っていない江差町は「想定が大雨と津波に限られ、地域も限定される。町内会から内容のマンネリ化の指摘もあり中断した。防災計画見直しや避難所表示の設置など優先課題も多い」と説明する。
熊石町は「過疎化で住民参加が難しい。役場も町村合併に人手を割かれている」と対応に苦慮している。
一方、内陸の厚沢部・今金両町も数年間、住民避難訓練を行っていない。今金町は「想定が水害に限られ訓練は不定期化した。住民の防災意識低下は問題で、来年度以降の再開も検討している」と話している。
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江差測候所(紺谷俊次所長)が昨年、管内住民2000人(有効回答1367人)に行った防災意識調査では、管内全体で「避難場所を知っている」と回答した人は77%だったが、災害に備えて衣服や食料を準備している人は28%に過ぎなかった。60歳代以上は62%が「している」と答えたが、30歳代以下は10%未満だった。
「津波の前に必ず海水が引くか」との質問では、管内全体で75%の人が「思う」「まあ思う」と誤って回答。同測候所は「避難時に誤った判断をする可能性もある」と危機感を示す。
調査結果を受けて同測候所は、「調査項目によって年代・性別の差が大きく、多様な広報が必要だ」と指摘する。住民の防災意識の維持・向上が管内全体の課題として浮上していると言えそうだ。
提供 - 函館新聞社
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