偽警察官のおれおれ詐欺続発
update 2004/9/2 10:09
警察官を装い、現金をだまし取る「おれおれ詐欺」の被害が多発している。函館市内では8月に相次いで2件あり、被害額は計542万4000円。いずれも主婦が狙われ、ニセの交通事故を知らせる電話で、夫の示談金などを振り込ませた。警察の信用性を利用し、悪い知らせに動揺する人間の心理を突く巧妙な手口だ。道警函館方面本部は「警察官が示談に介入することはない。まずは直接、本人に確認してほしい」(捜査課)と注意を呼び掛けている。
警察官をかたった手口の場合、孫や息子を装って高齢者をターゲットにした当初の「おれおれ詐欺」と異なり、被害者の年齢はさまざま。比較的若い世代も多く、8月23日には35歳の主婦が狙われた。
電話をかけてきた男は「警察のカトウ」を名乗り、「ご主人が追突事故を起こし、相手にけがをさせた。修理費と治療費313万4000円を払えば示談にするといっている」と示談金を払うことを勧めたという。主婦は指定された銀行口座に金を振り込んだ後、夫に電話で確認し、だまされたことに気付いた。
50歳代の主婦が遭った被害は、偽警察官から始まり、次々に代わる“登場人物”の芝居にだまされたケースだ。まず、「警察のヤマグチ」を名乗る男が電話で夫の交通事故を知らせ、続いて、相手の助手席に乗っていた妊婦の夫という男が手術費229万円を要求。さらに1時間後には妊婦の兄が出てきて、子供の入院代200万円を求めてきたという。主婦は2回に分けて金を振り込んだが、詐欺と分かったため、2回目に送金した200万円は引き出される前に取り戻した。
いずれの被害も、偽警察官の登場で信用させ、事故の知らせで動揺したところを狙った悪質な犯行。実際に交通事故を起こした場合、警察が被害者の家族に連絡することはあっても、「示談に介入することは一切ない」(函館中央署交通第2課)。
犯人が指定するのは本州の金融機関の口座で、転売された口座を利用するため、捜査の手も惑わされる。全国的には弁護士をかたったり、女性が孫や娘を装う「わたしわたし詐欺」など手口の多様化が目立つ。函本捜査課は「まずは本人に確認。続いて警察に通報。振り込む前には金融機関の窓口で相談してほしい」と注意を促している。
提供 - 函館新聞社
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