台風16号・道南は大きな被害なし

update 2004/9/1 11:51

 西日本に大きな被害をもたらした台風16号は、31日までに北海道地方を縦断した。渡島・檜山地方では風雨はそれほど強まらず、被害はほとんどなかったが、台風接近に伴い交通機関は運転を見合わせ、ダイヤは大きく乱れた。

 台風16号は31日昼過ぎに函館市に再接近し、午後2時ごろに苫小牧市に再上陸。その後も北東に進路を取り、夕方までにオホーツク海に抜けた。

 函館海洋気象台によると、31日午前零時から同日午後6時までの総雨量は、福島・千軒74ミリ、木古内42ミリ、江差39ミリで、函館は18ミリ。最大瞬間風速は、吹き返しの西北西の風で、江差26・4メートル、函館23・2メートル、最大風速は江差14・4メートル、函館12・7メートルだった。

 航空各社によると、道内や本州各地を結ぶ函館空港発着路線で計26便が欠航となった。

 道南の在来線も運休や遅れが相次ぎ、計82本が運休。JR函館線では特急列車など上下44本、函館駅と本州方面を結ぶJR海峡線で上下12本。JR江差線で上下26本が運休した。

 JR函館駅では始発からほぼ全面運休となり、駅のコンコースには運転再開を待つ観光客などであふれ返った。構内には、運休便などを記した紙が掲示されたほか、電光掲示板でも台風による運転中止についての報が流れた。

 観光で函館を訪れ、列車で札幌へ向かう予定だったという東京の田中健二さん(68)と礼子さん(60)夫妻は「個人旅行でスケジュールを立てたので、融通が利くが、それでも昼過ぎには(札幌に)着きたかった」と渋い表情で話していた。

 一方、海上の荒天のため、東日本フェリーの函館―青森間の3便と函館―大間間の2便が欠航。午後4時から函館―青森間で不定期運航を開始し乗客の対応に当たった。東日本海フェリーは8便全便が欠航した。

 20日の台風15号の接近で、七飯町の果樹園では収穫前のリンゴが大量に落下したが、今回の被害は最小限にとどまった。亀井果樹園(同町鳴川)の亀井栄之亟さん(78)は、「前回の台風で全体の7割のリンゴが落ちてしまい、16号も(15号と)似たような進路で来るというので、残りの収穫もあきらめていたが、何事もなくてほっとした」と話していた。

提供 - 函館新聞社



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