駒ケ岳大噴火を想定、「フロート」も活用し防災訓練

update 2004/8/27 10:11

 【砂原】駒ケ岳(1131メートル)の大噴火を想定した防災訓練が26日、砂原町の砂原漁港で開かれた。室蘭港に係留されている浮体式防災施設「広域防災フロート」を活用、通信連絡や物資搬入、町民が参加しての避難訓練などを行い、噴火発生時の対応技術向上を図った。

 道開発局が主催し、地元砂原町など20機関、183人が参加した。

 フロートは災害時に代替岸壁として利用したり、被災地へえい航し、住民避難、物資輸送などに活用する施設。室蘭市が2000年の有珠山噴火を契機に、昨年度に約11億円で整備。長さ80メートル、幅24メートル、高さ4メートル、重さ1300トン、きっ水1・2メートル。今回の使用に際し、初めて室蘭を出港し、25日に室蘭港で行った訓練の終了後、約4時間かけて砂原漁港に到着していた。

 訓練は1929(昭和4)年と同程度の大噴火を想定し、噴火から10日経過した設定で行った。ヘリコプターからの画像を防災専用回線(駒ケ岳WAN)に配信する情報伝達訓練から始まり、室蘭港で積載した救援物資(非常食1250食、毛布300枚)の搬入や、道警のヘリを使い、逃げ遅れた住民を救助する訓練などを次々と実施。避難訓練では、砂原中学校の生徒ら約70人が参加した。

 函館開発建設部は「駒ケ岳は常に注視しておかなくてはいけない。今回の訓練結果を検証し、フロートが必要な際の対応策を講じたい」と話していた。

提供 - 函館新聞社



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