松前で4町まちづくり観光経済シンポジウム
update 2004/8/25 10:15
【松前】松前、福島、江差、上ノ国の4町による、新たなまちづくりと広域観光の将来像を探る「4町まちづくり観光経済シンポジウム」が23日、歴史的街並みを再現したテーマパーク、松前藩屋敷(松前町西館)で開かれた。4町の行政や産業経済界の代表者ら約40人が出席し、歴史や水産資源を生かした地域活性化に向けて、4町の連携を深めることで意見が一致した。
松前、江差、上ノ国の3町観光協会で組織する「北海道歴史倶楽部」(会長・疋田清美松前観光協会長)の主催。松前町と合併協議を進める福島町を含む、4町の観光協会、商工会、漁協など、産業経済界の代表が出席。前田一男松前町長、飴谷逸男江差町助役ら行政、斉藤勝松前町議会議長、飯田隆一江差町議会議長、岩城昇上ノ国町議会副議長ら町議会の代表も参加した。
初めに、昨年4月まで白老町長を務めた、見野全氏(64)が「まちづくりと観光」をテーマに講演。「木古内に新駅ができる北海道新幹線開通は4町のチャンス。首都圏の集客につながる。地域が誇る歴史を生かして観光地のグレードを高めるべき」と提言した。
意見交換では、岩田良子・上ノ国町観光協会長が「道路事情が良くなり、檜山と函館は1日で回れる。函館圏に4町を含める形での観光展開が重要」と述べた。飯田議長は「4町の歴史は共通したPR材料。長期的視野で客層を絞り込むべき」と指摘。疋田会長は「4町で過疎を逆手に取り、都市にはないものを作り上げたい」と意欲を見せた。
佐藤正美・松前さくら漁協組合長は「漁業も観光と共生すべき。体験観光に門戸を広げたい」との考えを示した。市山亮悦・ひやま漁協組合長も「観光と漁業は、漁業権や資源保護の問題で対立していた。今は結びつきを深める時代だ。漁業者に観光を受け入れる意識が広がっていることを知ってほしい」と訴えた。
見野氏は「4町住民は観光の恩恵を知り『おもてなしの心』を大切にすべき。歴史・文化とともに学校での教育も必要。4町は市町村合併問題とともに、観光でも課題を共有し、前進する戦略を描いてほしい」と議論を総括した。
終了後、参加者は、松前沖で水揚げされた黒マグロに舌鼓を打ちながら、今後の4町連携のあり方について議論を深めていた。
提供 - 函館新聞社
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