駒大苫小牧甲子園制覇。道内勢の初優勝に市内でも歓喜の声

update 2004/8/23 10:19

 深紅の優勝旗が津軽海峡を一気に越えた―。全国高校野球選手権大会で駒大苫小牧(南北海道)が道勢初優勝を決めた22日、函館市内の各所でも、大勢の市民がテレビの前で、甲子園に届かんばかりの声援を送った。全国の強豪をなぎ倒し、たどり着いた頂上決戦。点を取られてもすぐ取り返す、目が離せない打撃戦にファンは熱狂。済美(愛媛)最後のバッターが内野フライに倒れた瞬間、市内各所は歓喜と歓声の渦に包まれた。

 市内のデパートやスーパーマーケットは、臨時でテレビを設置したり、常設のテレビや電器コーナーで放映したり、館内放送で経過を伝えたりと高校野球一色。

 JR函館駅では、待ち合いスペースにある常設テレビ2台を普段、業務案内用として使っているが、「北海道のためにできるだけの協力を」と、21日の準決勝から高校野球の放映に切り替えた。駅の利用者約150人が、試合の動向をかたずをのんで見守った。チャンスの場面では拍手や歓声、ピンチの場面では悲鳴が上がるなど観戦者は一喜一憂。優勝決定の瞬間、ボルテージは最高潮に達し「やったー」「バンザーイ」と、興奮のるつぼに。

 観戦していた大澤啓行さん(67)は、苫小牧出身で、スポーツ大会参加のため来函。「もう打てないだろうと思うと、どんどん打ってくる。化け物打線だね」と駒大苫小牧の猛打に舌を巻いていた。

 登別出身の市内富岡町の学生、櫻場裕子さん(21)は「部活動を通じて駒大苫小牧のことは知っていたので、応援に力が入った。ベスト8、ベスト4でもすごいこと。その上の優勝を果たしたので心から感動した。選手の皆さんにはお疲れさまと言いたい」と笑顔を見せた。

 野球指導者や選手に与えた喜びも大きい。北海道少年軟式野球連盟渡島支部事務局長の其田和仁さん(44)=大野町=は、「選手が皆“道産子”なのがいい。冬場の練習面などの逆境の中、全国の頂点に立ったことは、北海道の野球少年の大きな励み目標になったと思う」と喜ぶ。苫小牧を含む胆振ブロックは当時、野球少年団、中学校もレベルが高かったといい、「一時的なものではなく、その積み重ねが選手、チームの強さにつながったのではないか」と話す。

 また、南北海道大会初戦で対戦し敗れた、森高校硬式野球部の武藤一成監督(30)=函館市桔梗町=は「全国優勝したチームと対戦できたとは、本当に光栄」と感概深げ。「今年は今までの甲子園大会とは違った感覚で試合を見ていた。今思うと対戦した時はチームの調子も悪かったようだが、大舞台で強豪を撃破することで調子を上げ、決勝戦でピークに登りつめるチームの力はさすがだと思う」と感服していた。(浜田孝輔、原山知寿子)

提供 - 函館新聞社



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