函病の上半期問題発生件数
update 2004/8/21 10:06
市立函館病院(長谷川正院長)のことし上半期(1―6月)の問題発生件数は653件で、昨年1年間(688件)の95%に達していることが、同病院の医療安全管理委員会(委員長・小沢正則副医院長)のまとめで分かった。医療過誤とは無縁の事例も含まれているが、通年で1000件を突破する勢い。同病院は「問題を報告する意識が院内に浸透してきた成果」と前向きに受け止めている。
同病院は02年8月に医師、看護師、医療技術者、事務局職員ら委員30人から成る同委を発足。院内での問題を報告書に記載し、専用箱に提出する仕組み。報告事例を同委で審議してレベル1―6に分類。各部署に事例紹介し、再発防止策を講じている。件数は02年336件、03年688件で、年々増加している。
レベル1―3は「問題は発生したが被害なし」、同4は「要治療、障害は残らない」、同5は「要治療、障害残る」、同6は「死亡」と規定。
上半期の発生件数のうち最も多いのは同2の511件で、77・2%。このほか、同1の85件(12・8%)、同3の41件(6・2%)、同4の14件(2・1%)、同5と6が各1件(各0・2%)だった。
同委によると、同1―3では「80歳以上の入院患者による転倒・転落が多い」という。夜間、単独でトイレに行き、転倒する例が目立つという。同6は、70代後半の男性入院患者が昨年12月、ベッド上で病死した事案で、「病死であり、医療ミスではない」。
同5は1月に発生。人工心肺チューブの取り付けミスで、40代の男性が植物状態になり、2月に公表した。
小沢委員長は「大きな火はひとつの小さな過ちからで、今はいろいろなケースを集めることが大事。函病規模の病院であれば年間1000件程度の問題は報告されて当然」と話している。(吉良 敦)
提供 - 函館新聞社
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