阿部さんと金谷さん書道毎日賞

update 2004/8/17 10:03

 第56回毎日書道展(毎日新聞社、財団法人毎日書道会主催)の近代詩文書部門で、道南から阿部海夏(かいか、本名・吉川真理絵)さん(35)=上磯町中野通=、金谷紅麟(こうりん、本名・淳美)さん(20)=函館市駒場町=が毎日賞に輝いた。一般公募で第一席となる賞を手にし、2人は喜びをにじませ、今後の活動にさらなる意欲を燃やしている。

 同展は、国内最大規模の書道公募展。2万8000点を超える一般公募作品の中から入賞・入選作が選出され、全国10会場で展示されている。毎日賞には、近代詩文書部門で47人が選ばれた。

 阿部さんは、父親で仙台在住の書家、阿部海鶴さんから書を習い、9年前から函館の鈴木大有さん(創玄書道展一科審査員、函館北高校教諭)のもとで近代詩文書に励んできた。同展には、10代のころから出展を続けており、今回は漢字作品に加え、初めて近代詩文書を出品。近代詩文書で毎日賞に輝き、会員への推挙も決まった。毎日賞は2001年にも受賞している。

 受賞作は、人見東明さんの詩「深夜」の一節を表現。長年続けてきた漢字の技術をベースに三行構成で美しい筆致を見せ、静かな雰囲気や流れる線を作り上げた。

 一方、金谷さんは18歳から23歳の若手作家を対象にしたU23の枠内で14点の毎日賞に選ばれた。昨年は同枠で奨励賞に選ばれており、2年連続の受賞。金谷さんは、函館北高校で書道を始め、卒業後も鈴木さんのもとに通い、4月の就職後も休日などを利用して書を続けてきた。

 受賞作は、森山直太朗の「生きとし生ける物へ」から、「たかが言葉と嘯(うそぶ)けどされど言葉の摩訶(まか)不思議」の部分を書き上げた。「行の揺れを利用して壮大さやスケールの大きさを表現した」と金谷さん。書き始めは太く、終わりは細くと文字に変化を出している。

 受賞の知らせに、喜びより驚きの方が大きかったという2人。阿部さんは「近代詩文書は初チャレンジだったので特にびっくりした。逆に漢字はまだまだだと実感した。もっと勉強したい」、金谷さんは「この作品に追いつこう追い越そうと、しばらくは今回の作品が気になると思う。これからも勉強することがたくさんある」と、今後の研さんを心に誓っている。

 2人を指導する鈴木さんは「大変喜ばしいこと。日ごろの努力が報われたと思う。今後の活躍も期待している」と、ともに受賞を喜んでいる。

提供 - 函館新聞社



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