平和の願い鐘に託し、寺院や教会で鐘一斉に鳴らす
update 2004/8/16 12:27
すべての人が明るく自由に暮らせますように―。平和というメッセージを鐘の音に託す催し「平和の鐘を鳴らそう」が終戦記念日の15日、函館市東川町の本願寺函館西別院で行われた。親子連れや地域の小学生らが自分たちの手で鐘を突き、平和への思いを新たにした。
函館ユネスコ協会(関口昭平会長)の主催。2000年にユネスコが提唱し国連が定めた「平和の文化国際年」にちなみ、地域の寺院や教会の協力を得て4年前から実施している。ことしも同寺院のほか、高龍寺、称名寺、実行寺、真宗大谷派函館別院、常住寺、万年寺、カトリック教会元町教会、トラピスチヌ修道院天使園の各寺院、教会が午前11時半にそれぞれ鐘を鳴らした。
主会場となった本願寺函館西別院には関係者や近隣住民ら約40人が足を運んだ。関口会長が「戦争が終わって59年。自分たちの父母が一生懸命に働いて今の平和を持ってきてくれた。これからも子どもたちの自由で楽しい生活を守っていきたい」とあいさつ。続いてノーベル平和賞受賞者たちが起草した「わたしの平和宣言」の6項目を全員で唱和した。
鐘突きは子どもたちから順に行い、それぞれが撞木(しゅもく)で青銅の鐘を突き、「ゴーン」という重みのある音を遠くまで響かせた。
子どもたちは、鐘を突くのが楽しいといった様子だったが、周囲の大人から8月15日の意味を知らされると、それぞれが複雑な表情を浮かべた。
函館あさひ小5年の本間拓也君は「戦争についておばあちゃんから聞いたことがあるが、小さいころによく泣いたと言っていた」と神妙な顔つきに。また、谷川風海(ふう)君(同2年)は「自分たちがけんかしたくないのと同じ。戦争はいやだ」と小さな声で話した。
田家町から足を運んだ新谷明子さん(36)は、息子の奏人(かなと)君を左手で抱いて一突き。「祖父が戦地に行っているが、この子たちには絶対に戦争を経験させたくない。鐘の大きな音に平和の祈りを込めました」と力強く話していた。(池田比佐史)
提供 - 函館新聞社
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