佐々木さん親子がクロスジギンヤンマ捕獲・道内2例目
update 2004/8/10 13:59
函館市八幡町の佐々木智基君(函館大川中1年)と父の卓也さん(43)が、青森以南で生息するとされるクロスジギンヤンマを大野町で捕獲した。北海道トンボ研究会(本部・札幌市)によると、道内での同種の捕獲は3年ぶり2度目という珍しい事例で、本州から飛来したとみられる。佐々木さん親子は夏休みの貴重な体験を素直に喜んでいる。
捕獲したのは体長7センチのオスで、羽を広げた幅は9・5センチ。今月1日に家族4人でトンボ取りに出掛けた際に智基君が捕まえた。「数匹を取って、もう帰ろうというときにスーッと自分の方に近づいてきたのでサッと網を振った」(智基君)。トンボ採集が趣味の卓也さんは「今まで見てきたトンボとは明らかに違った。飛び方も優雅な感じがした」という。
帰宅後すぐに卓也さんは、種類を調べようとインターネットでトンボ関連のホームページを検索。同研究会に写真を送るなどして問い合わせたところ「道内2例目のクロスジギンヤンマ」と確認された。
卓也さんは「調べているうちに、クロスジだという思いが強くなった。確認できたときはうれしかった」と振り返る。智基君は「すごいことらしく、お父さんはずっと興奮していた」という。
前回の捕獲は2001年8月で、場所は同じ渡島管内。同研究会では「台風の風に乗って来たのでは」との見解を示しており、今回も前回同様、風に乗って海峡を越えてきたとみている。佐々木さんから確認の依頼を受けた同研究会の生方秀紀副会長(道教育大釧路校教授)は、「まだ、成虫だけしか見つかっていないので、定着した、しない、ということは言えない。今後の調査で幼虫や羽化後の抜け殻などが見つかって、初めて定着したということになる」と話す。
卓也さんは、捕獲したトンボは冷凍保存しており、時折、冷凍庫から出してきては見ているという。佐々木さん親子は「小さな体で飛んでくるというのも驚きだが、もし、北海道に定着しているとしたら、もっとすごいことですね」と夢を広げている。(池田比佐史)
★クロスジギンヤンマ★ ヤンマ科。国内では本州、九州の沼などに生息。普通のギンヤンマとは異なり、黄緑色の胸に黒い縦筋が2本あり、頭部の「T」の字の紋様や、るり色をした尾が特徴。
提供 - 函館新聞社
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