南茅部前町長に罰金30万円の略式命令

update 2004/8/7 17:34

 函館区検は6日、7月の参院選比例代表で落選した自民党の笹川博義氏への投票などを町職員に依頼したとして、公選法違反(公務員の地位利用、事前運動)の罪で飯田満・前南茅部町長(67)=同町尾札部455=を略式起訴した。函館簡裁は同日、罰金30万円と公民権停止4年の略式命令を出し、飯田前町長は罰金を仮納付、釈放された。

 命令によると、飯田前町長は参院選公示前の5月下旬から6月上旬に、同町役場内の町長室などで、町幹部13人に笹川氏の後援会入会申込書を配布、投票と票の取りまとめなどを依頼した。

 捜査を担当した函館地検は、公判請求をしなかった理由について「他の事例との均衡から罰金が相当。(前町長の)辞職、反省を踏まえ、総合的に判断した」としている。公民権停止により、飯田前町長は4年間、選挙権と被選挙権を失う。
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 釈放された飯田満・前南茅部町長は6日、函館市内で記者会見し、「町政に大きな混乱を引き起こし、心から深くおわびしたい」と頭を下げ、陳謝した。自らの辞職に伴う24日告示の出直し町長選については、後継者を指名しない考えを強調した。

 飯田前町長は神妙な面持ちで、「今回の事件はわたしにすべての責任がある。言葉で言い尽くせない多大な迷惑をかけ、南茅部町の名誉に傷をつけた」と、あらためて町民に対し謝罪。さらに自身の後援会を解散させる考えを示し、「一町民として日々の生活の中で、おわびしていきたい」と述べ、事実上の引退を表明した。

 町長選について問われると、「大きなショックを町民に与え、次の方がどうこうという立場にはない。一刻も早い町政の安定を願っている」と述べるにとどまり、後継指名を否定した。

 12月に控えた函館市、戸井町、恵山町、椴法華村との合併については「函館市をはじめ関係町村に本当に申し訳ない」と陳謝した上で、「道に書類を提出しており、合併の方向は変わらないと思っている。わたしからではなく、考え方を聞かれれば、経験したことなど持っているものを出したい」と、陰ながら協力する考えを示した。

 町に多額の寄付をしている会社経営者の要請に応じ、罪を犯したことには「マチの出身者で、お世話になったからといっても、ダメなものはダメ。非常に悔やんでいる」と振り返り、後悔の念をみせた。

提供 - 函館新聞社



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