江差で風力発電事業講演会

update 2004/8/5 10:24

 【江差】風力発電を行う、江差町の第3セクター・江差ウインドパワー(社長・濱谷一治町長)と同町が共催する「風力発電事業講演会」が3日夜、同町新地町のホテルニューえさしで開かれた。

 日本風力エネルギー協会会長の牛山泉・足利工業大教授は、同町をはじめ国内の風力発電について「欧州の技術を導入したが、気流の乱れや雷などの気象条件に対応していない。気流の乱れは風車に与えるダメージが大きい」と説明。国内の条件に適したシステム開発が急務との考えを示した。

 講演会では、東洋設計(金沢市)東京支店の河面英則技術部長、大林組エンジニアリング本部(東京)の斉藤隆雄専任役が、同社の風力発電所を検証した「プロジェクト委員会」の調査結果を報告。

 設備利用率の低迷について両氏は、風速や風向のデータから(1)制御方法の問題(2)発電所がある元山山ろくは風が弱い(3)風車の距離が近すぎる―など、複合した要因があると説明。「元山山ろくへの設置は誤り。解決は難しい」との認識を示した。

 一方、日本風力発電(東京)の塚脇正幸社長は「事業の方向性は正しいが、元山の存在を軽く見過ぎた。風車移設による経営の立て直しのほか、故障による設備利用率の低下を防ぐため、地元で予防メンテナンスを可能にする体制整備が必要」と述べた。

提供 - 函館新聞社



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