「イルカやアシカショーを」市の水族館構想に娯楽性求める声

update 2004/7/31 10:12

 2008年のオープンに向け、函館市が「緑の島」に建設を計画している水族館(仮称・海の生態科学館)。市民や学識経験者でつくる建設基本構想策定委員会が、11月をめどに基本構想をまとめる。その参考となる市民アンケート(速報値、対象20歳以上2000人、回収率36・1%)がこのほどまとまった。市民はどんな「水族館」を望んでいるのか。アンケート結果を上下で紹介する。

 一般的な「水族館」のイメージとしてベスト3に挙がったのは、(1)「海や川にすむさまざまな種類の生物がいる」35・0%(2)「イルカやアシカのショーが見られる」29・6%(3)「大水槽がある」29・4%。

 (2)は水族館を娯楽施設ととらえていることがうかがえる。ちなみに4位は、「レジャー、癒し感のあるところ」27・1%で、水族館といえば「楽しめる施設」とイメージする市民の割合が高い。

 訪れたことのある水族館の中で気に入った施設は、(1)おたる水族館32・8%(2)登別マリンパークニクス15・9%(3)浅虫水族館(青森県)9・9%の順。

 それぞれ気に入った理由は―。「おたる」では、「イルカやアザラシなどのショーをやっている」が70・8%と高い割合を占めた。以下、「目玉となる生物がいる」48・4%、「大型水槽やトンネル型の水槽などがある」34・2%と続く。「登別」も順位こそ違うが、これら3つの理由が上位を占めた。

 2施設とわずかに異なったのが「浅虫」。上位2つの(1)「大型水槽やトンネル型の水槽―」59・1%(2)「イルカやアザラシなどのショー―」40・9%は同様だが、3位は「海や川にすむ生物の特徴、生態をわかりやすく見せている」28・8%で、学習的要素が人気を呼んでいる。

 26日の水族館建設基本構想策定委員会(委員15人)。「アミューズメントと楽しく学べる施設という相反する要素を融合させる、発想の転換が必要」といった意見が委員から出た。市が社会教育施設として描く一方、娯楽性を求める市民は多い。(吉良 敦)

提供 - 函館新聞社



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