市消防本部が来月から「指示なし除細動」実施

update 2004/7/30 10:12

 救急救命士が医師の指示を受け、心肺停止状態の傷病者へ行う除細動(電気ショック)について、函館市消防本部は8月1日から、救命士が独自の判断で処置に取り組む、いわゆる「指示なし除細動」に切り替える。素早い措置を可能にすることで、救命率の向上を図ることが狙い。指示なし除細動の導入は、渡島・桧山管内では同本部が初めて。

 除細動は従来、救命士が医師と電話で連絡を取り合い、実施してきた。ただ、心肺停止状態のけが人や病人は、除細動の開始が1分遅れることで、救命率は7―10%低下するとされており、1分1秒のロスが生死の境目となる。

 このため、現場で迅速な対処ができるよう、2003年4月から、一定の条件を整えた消防に限り、指示なし除細動ができるよう、制度が改正された。道内では札幌市や旭川市などの消防が、すでに導入している。

 同本部は「救急出動は年々増えており、除細動を伴う出動も伸びていくだろう」と予測。実際、同本部の過去3年間の除細動実施件数は、14件、19件、20件と増加している。これらを踏まえ、同本部は「指示なし」の導入を決めた。

 同本部は要件となるメディカルコントロール体制を構築。救命士全21人の事前研修受講をはじめ、(1)指示なし除細動実施後の医師による検証(2)医療機関での救命士の日常的な研修(3)常時連絡を取れる医師の確保―など、各条件を満たす体制を整えた。

 同本部警防課は「1人でも多くの人命救助につながれば」と期待している。

提供 - 函館新聞社



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