鶴岡小卒業生、東出さんから同校に旧校舎の模型寄贈
update 2004/7/28 10:06
【木古内】昔の学びやを後世に―。木古内鶴岡小学校の同窓生で、町内鶴岡在住の東出吉雄さん(83)がこのほど同校に、既に解体された旧校舎の模型を寄贈した。すべて手作りで10カ月を費やした力作。同校に展示され、同校の歴史を児童に語り継ぐ。
旧校舎は1931年に建設。老朽化のため86年に解体されている。東出さんは、現校舎に隣接する鶴岡農村公園にあった旧校舎の解体を目の当たりにし、「思い出深い校舎を、何らかの形で残したい」と、5年ほど前から思案していたという。
ただ、校舎の図面は残っておらず、解体前に撮影した航空写真などと、自身が校舎に通った当時の記憶だけが頼り。主に午前中の数時間、毎日コツコツと作業を積み重ねてきた。
模型の大きさは長さ2メートル、幅1メートル、高さ30センチ。工作が容易な桐(きり)材を使い、木を組み合わせる手法で形を仕上げた。模型の内部をのぞくと、教室部分には黒板や扉、はめこみ式の窓もある。
東出さんの本業は農家だが、当時町内に大工が少なく、自宅の倉庫や車庫は自分で建設。70歳ごろまで現役だったという。「やる気になれば何でもできるもんだね」と笑って話す。
26日は同校に東出さんを招き、全校児童30人が参加して感謝状を手渡した。児童会長で同校6年の東口希望さんが「模型は作りが細かくて、中で今にも先生や子供たちが授業を始めそう。ぬくもりと人の温かさを感じます」などと感謝の言葉を述べた。
同校の本間淳一校長は「旧校舎は、当時の町民が集会場に使うなど地域の中心であり、鶴岡地区のアイデンティティーが感じられる場所。大切にしたい」と話している。
提供 - 函館新聞社
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