「町政への信頼損ねた」南茅部町長が辞職願提出
update 2004/7/21 10:10
【南茅部】公職選挙法違反(公務員の地位利用)の疑いで逮捕、送検された南茅部町長、飯田満容疑者(67)は20日、「町政への信頼を著しく損ねたのは、すべてわたし一人の責任。これ以上の町政の混乱を避けたい」として、町議会の杉林幸弘議長あてに辞職願を提出した。
細井徹助役と、辞職願を届けた菅原憲夫弁護士が同日、役場で記者会見した。菅原弁護士は「(飯田容疑者は)逮捕の直後から、辞任をほのめかしていた。きょう接見した際、表情がいつもより険しく、決断したのだと感じた」と話した。
その上で、「町へ長年、寄付を続ける会社役員への恩返しの気持ちから引き起こした違反。公示前でもあり、罪の意識はなかったようだ。ただ、決して悪意はなく、深く反省している」などと説明した。
町長の辞職願提出により、出直し選挙の実施が確実となった。細井助役は「一時的な混乱はあるかもしれないが、大きな影響はないと考えており、そうさせないことも、われわれ職員の責任」と強調した。
辞職願には町民あての「おわび」と題した文章が添えられており、この中で飯田容疑者は「わたしは町政を離れるわけですが、今後は贖罪(しょくざい)の道を模索していきたい」と、反省の思いを記している。
役場では会見後、細井助役から職員へ町長の辞意が伝えられた。
◎合併まで4ヵ月、町長選挙行われない可能性も
飯田容疑者が辞職願を提出したことを受け、町議会は23日にも臨時会を開き、同意する見通し。その後、町選管に通知があった翌日から50日以内に町長選が行われる。
この場合、仮に24日に町選管に通知があった場合、9月11日までに選挙が行われる。新町長の任期は11月30日までの約4カ月。
また、公選法では、立候補者が一人も出なかった場合、町選管は選挙会を開き、投票人がいないことを確認して直ちに告示し、その翌日から50日以内に再選挙を行うと規定。立候補者が出るまで「告示ー50日以内の選挙」を繰り返す決まりになっている。
この状態が繰り返されれば、選挙を行わないまま合併する可能性も法的には残されている。
提供 - 函館新聞社
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