処分寸前の子犬、福祉施設の「アイドル」に

update 2004/7/21 10:09

 函館市の野犬抑留所で処分される寸前だったところを動物保護団体に救われた子犬が、市内福祉施設(若松町22)の「アイドル」として常駐することになった。人懐っこく、おとなしい性格で、利用者の心を癒やす「セラピードッグ」のような役割を担えると期待されている。

 飼うのは、8月20日オープン予定のグループホーム・デイサービス「海笛(かいてき)の家」(遠藤みほ子理事長)。子犬は施設名にもある「海」にちなんで「マリン」と名付けられた。

 マリンは生後約7カ月のメスで、7月2日、飼い主が市内見晴の野犬抑留所に不要犬として持ち込んだ。不要犬は、所有者が分からない「野良犬」と違って猶予期間の定めがないため、その場で処分されることも多い。

 ガス室への片道切符を渡されたマリンだが、寸前で、函館ワン・ニャンレスキューが保護。当初は、散歩をしたことがないのか、外を異常に怖がったが、次第に散歩も楽しむようになった。

 新たな飼い主を探していたところ、遠藤理事長が「セラピードッグの役割をこなせるような犬はいないか」と同団体に打診。常に誰かに寄り添い、無駄吠えしないマリンを紹介し、もらわれることが決まった。

 同団体のメンバーは「いらない」と言われた命が役割を持って社会に出られることに感激。「施設利用者と共に、幸せになってもらいたい」と喜んでいる。

 同施設の問い合わせはTEL22・1717か、フリーダイヤル0120・910・106。函館ワン・ニャンレスキューはTEL090・6997・6744。

提供 - 函館新聞社



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