参院選、分裂した道南の保守層
update 2004/7/14 10:27
中川か、鈴木か―。11日投開票の参院選を前に、自民党現職の中川義雄氏と無所属新人の鈴木宗男氏の支持で、分裂した道南の保守層。昨年11月の衆院選でみられた「佐藤派対反佐藤派」の対立が「中川対鈴木」の構図で再現されたが、中川氏が6万7466票のダブルスコアで勝利し、次期衆院選出馬予定の佐藤健治・党道8区支部長はメンツを保った。だが、反佐藤派を中心に鈴木氏に入った3万2327票の行方は、次期衆院選で当落を分ける大きな要素とも言える。保守にとり、一本化の必要性があらためて浮き彫りとなった。
中川氏は道南に地盤がなく道議時代の盟友、桜井外治・前道議(函館市区選出)に支援を求め、3年前に道南事務所を開設。鈴木氏は、衆院議員時代から、道南選出代議士がいない間隙(かんげき)を縫い“直轄地”として基盤を固めており、中川氏にとり、佐藤支部長との連携は不可欠だった。
両氏の争いは、保守層の牙城だった建設業界を二分し、昨年11月の衆院選時の「佐藤対前田(一男・現松前町長)」の構図にはまった。本来、中川氏を応援する立場の道議もどっち付かずで距離を置くケースも見られた。支持母体の分裂に加え、中川、桜井両氏への道議時代のわだかまりが影響した。
結果次第で責任問題を問われた佐藤支部長は“佐藤信者”を手堅くまとめ、桧山では中川氏が鈴木氏の約3倍の得票で圧勝。佐藤氏が弱いとされる大票田、函館でも中川氏トップを死守した。ただ、渡島では、森、砂原などで接戦を強いられた。
佐藤支部長は大差に「目に見える形で、勝利を収めた」と安どしているが、民主の峰崎直樹、西川将人両氏の合計得票数9万8838票には危機感を抱く。保守の中川、鈴木両氏の合計9万9793票に肉薄しただけでなく、佐藤氏が「わたしの力の反映」とみる中川氏の得票数をはるかに上回る。佐藤支部長が保守融和を図れるか、再び注視されている。(参院選取材班)
提供 - 函館新聞社
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