合併する函館と4町村、道に廃置分合申請

update 2004/7/8 10:11

 【札幌】函館市、戸井町、恵山町、椴法華村、南茅部町は7日、4町村を函館市に編入合併する「廃置分合」を道に申請した。「平成の大合併」道内第1号で、1973年の函館市と旧亀田市以来31年ぶり。高橋はるみ知事が9月の定例道議会に廃置分合議案を提案し、議決されれば、11月の総務相告示で合併が確定する。12月1日に人口約30万人の新「函館市」が誕生し、2005年には政令指定都市に準じた権限を持つ「中核市」への昇格を目指す。

 井上博司函館市長、吉澤慶昭戸井町長、工藤篤恵山町長、船木英秀椴法華村長、飯田満南茅部町長の5人がそろって道庁を訪れた。5市町村を代表して井上市長が高橋知事に申請書を提出し、「5市町村が心ひとつにし合併協議が順調に進んだ。絶対にサービスを低下させない使命感を持っている。よろしくお願いします」とあいさつ。高橋知事は「ここまでこられた関係者の皆さまのご努力、ご尽力に敬意を表します。新『函館市』の誕生に心からうれしいと思っています」と応じ、受理した。

 続いて、5首長は廃置分合議案が付託される道議会地方分権・道政改革関連調査特別委員会の久保雅司委員長、本間勲副委員長らを訪問。合併議案の可決に向け、協力を求めた。

 函館市と渡島東部4町村は4月23日に合併協定に調印。6月中にすべての市町村議会で合併関連議案が議決された。申請を受け、道は9月の定例道議会での議決を経て、高橋知事が総務相に届け出を行い、11月上旬の総務相告示で合併が正式決定する。

 新「函館市」は人口30万5000人(2000年国勢調査)、面積677平方キロメートル。05年12月に概数が判明する国勢調査で、中核市指定用件の「人口30万人」を割る恐れがあるため、同年10月の移行を国に求めている。


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◎「住民サービスの向上頑張る」井上市長一問一答 

函館市の井上市長は7日、渡島東部4町村との廃置分合申請後、記者団に対し、「水産を軸にした新しいマチづくりを進める」と新市にかける決意を述べた。12月1日の5市町村合併後、新「函館市」の市長に就任する。記者団との主なやりとりは次の通り。

 ――道内で最初に廃置分合を申請し、率直な感想を。

 5市町村の合併協議は道内でも決して早い取り組みではなかったが、順調に進み、第1号になった。住民サービスの向上に頑張らないと、という意識が強まっている。合併する12月1日に、喜びと感慨深さがでるのでは。

 ――31年前の合併も函館だったが。

 昭和の合併の最後が函館で、平成の第1号が函館。しみじみと感じているが、新しいマチづくりを進めるための手法として選択した結果だ。できるだけ早く一体感を持って新しいマチづくりをしようと思った。

 ――合併までに残っている課題は。

 職員の配置、機構の問題、それぞれの病院の経営、各町内会、社会福祉協議会の統合の問題など。2、3年かかるものもあるが、12月までにしっかり固め、道筋を立てたい。 ――合併を成功させる極意は。

 首長の気持ちが大きい。合併するんだという腹を決めれば、多少の山坂、あい路も乗り越えられる。腹を探り合いながらとなると、小さなことでも障壁になるのでは。

 ――あらためてどういうマチづくりを進めるのか。

 4町村は海のマチ、水産のマチで、道内では珍しく農業がない。函館ももともと水産のマチ。水産業の振興を大きな軸にした新しいマチづくりになる。意義は大変大きく、お互いにメリットの大きい合併だ。

提供 - 函館新聞社



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