参院選終盤
update 2004/7/5 10:12
第20回参院選は、11日の投票日まで1週間を切り、終盤戦に突入した。7人が立候補した道選挙区(改選数2)は4日までに、社民党新人の山内恵子氏(64)、民主党新人の西川将人氏(35)、無所属新人の鈴木宗男氏(56)、自民党現職の中川義雄氏(66)の4候補が、遊説や個人演説会を函館で実施。残る民主党現職の峰崎直樹氏(59)、維新政党・新風新人の千代信人氏(40)、共産党新人の岡千陽氏(41)の3候補も7日までに函館入りする予定となっている。有力候補者の乱立で、票の行方が読みにくいとされる中、各候補の道南陣営は票の上積みを狙い、支持拡大に全力を挙げている。
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千代信人氏(諸派・新)の陣営は「大きな政党と違い、地道に選挙運動をするしかない」とする。各党員は休日にポスターを張るなど函館市内とその近郊を回り、知名度アップを図っている。6日には千代候補が函館入りし、本町交差点など市中心部や近郊の町で政策を訴える。「自主憲法制定や対北朝鮮政策など、既存の政党とは(政策などが)違う点を知ってもらいたい」(山田誠二・維新政党・新風函館支部長)と強調。陣営は、後半戦に意欲を燃やしている。
岡千陽氏(共産・新)の陣営は「年金問題が追い風になっている」(伏木田政義・函館地区参院選対策本部長)と、前半戦の手応えを強調。昨年11月の衆院選では、党が自民と民主の2大政党制の流れに埋没したが、「今回は過去最高だった1998年参院選に迫る勢い。まるで紙智子(参院議員)が函館市内で、中川氏を上回った時の再現」と勢いに乗る。岡氏本人は7日、函館入りし、市内を遊説しながら、演説会を開催。無党派層も視野に入れながら、支持の上積みを目指す。
山内恵子氏(社民・新)の陣営は、道南・函館には事務所を構えないが、法定ビラを配るなど活動を続けている。「函館は人口の点からも、重要な都市」(道下誠・党道南支部連合幹事長)と強調。その1つの表れが遊説日程にあるという。山内氏は、全7候補の中で、公示後、最初に函館・道南に入った。函館朝市や市中心部のほか、上磯や長万部など各地を精力的に回った。陣営は「主戦場は札幌と旭川になる」としつつも、函館・道南で「平和憲法堅持」などの公約の周知を図っている。
西川将人氏(民主・新)の陣営は党道南総支部が中心となって選挙戦を展開。強固な基盤や組織を持たないだけに、道南ゆかりの鉢呂吉雄幹事長代理がてこ入れし、支持を訴える。6月30日には函館市内のホテルで個人演説会を開き、約200人の聴衆を集めた。「民主党の追い風が西川を後押ししている。無党派の目が向いてきた」(板倉一幸・同総支部幹事長)と手応えを語る。4日から、新しい選挙ポスターに張り替え、“民主党の新人”を前面に打ち出した戦術を進めている。
中川義雄氏(自民・現)の陣営は、同じ保守層を支持基盤とする鈴木氏への警戒もあり、「徐々に盛り上がってきているが、手応えは得ていない」(佐藤健治・道8区支部参院選対策本部長)と支持拡大に躍起。6月に政策協定を結んだ公明との連携を強化した。4日、市内のホテルで開かれた演説会に、与党整備新幹線建設促進プロジェクトチーム座長の久間章生・党幹事長代理を呼ぶなど、ヤマ場を迎えている新幹線問題を“切り札”とした戦術を展開。残り1週間、追い込みをかける。
鈴木宗男氏(無所属・新)の陣営は、景気回復を最重要課題に掲げ、地方の切り捨てを許さない姿勢と政治家としての経験の豊かさをアピール。函館市中道に選挙事務所を構え、道南での支持拡大を図っている。「ムネオ再・起・働」道南の会の田中康二事務長は「他候補に比べスタートが遅かったがペースが上がっており、相手の背中が見えてきた」と手応えを感じる。後半戦は「道内各地の友人知人に鈴木氏の訴えを伝えて」と、「反乱」を呼び掛ける戦略で、すそ野の広がりを目指す。
峰崎直樹氏(民主・現)の陣営は道8区合同選挙対策本部(本部長・金田誠一衆院議員)がフル稼働。連合渡島地域協議会が実働部隊となり、組織力を生かした電話戦術などで、労組内外の票固めに力を注ぐ。5日には峰崎氏が道南入り。6日午後6時半から、函館市本町で1000人規模の街頭集会を開き、必勝ムードを盛り上げる。「組織票の7割は固めた。特別なことはやらないが、後悔だけはしないようにしたい」(同合選)と手応えをつかみつつ、引き締めに余念がない。
提供 - 函館新聞社
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