杉浦茂さんが「杉浦嘉七 四代物語」出版

update 2004/7/3 10:01

 神奈川県横浜市在住の杉浦茂さん(73)がこのほど、函館で場所請負人として活躍した先祖の足跡をたどる「場所請負人福嶋屋杉浦嘉七 四代物語」を出版した。函館をはじめ、道内各地を訪ね歩き、四代の歩みを一冊にまとめている。

 杉浦さんは、三代目杉浦嘉七の四男の孫にあたる。杉浦家は、一時は函館一ともいわれた豪商だったが、四代目杉浦嘉七の時代に家業が中断して衰退。跡継ぎの男子がなく、本家も断絶されたきりだという。

 函館を旅行した際、杉浦家に関する記述を地元の同人誌で目にし、杉浦家のルーツに関心を持ったという杉浦さん。手元にほとんど資料がない中、函館をはじめ、松前、江差、広尾、浦河など、杉浦嘉七ゆかりの地を訪ね、資料収集を続けてきた。

 著書では、江戸から北海道へ渡り場所請負人として漁場の経営にあたった初代、巨万の富を築いた二代、近代商人として脱皮を果たした三代、文学的才能のあった四代―と、四代にわたる杉浦嘉七の足跡や人間像を紹介。三代目の顔写真や自筆書、建立した神社、場所請負人運行手形などの写真も載せている。

 B5判、158ページ。350部を自費で作り、近親者や関係者に配布した。1日には、資料収集などに協力した函館の郷土史研究家らが出席して出版記念会も開かれた。杉浦さんは「四代の伝記を書き残しておきたかった。祖先が残したものをまとめることができてほっとしている」と話している。

提供 - 函館新聞社



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