ホタテ貝殻発光の原因解明
update 2004/7/1 10:12
道立工業技術センター(函館市桔梗町)の下野功・工業材料開発科長の研究チームが、高温で焼いたホタテの貝殻に紫外線を当てると発光する原因を解明した。熱を加えると、蛍光特性を持つ、原子の抜けた穴「格子欠陥」や数種類の原子の発光が強まると特定した。だが、蛍光灯の発光物質に比べ発光量は約10分の1と微弱なため、今後は光量を強める方法を模索し、実用化を目指す考えだ。
同チームは、全国で年間25万d排出されるというホタテの貝殻の新しい利用法を探ろうと、2002年度から研究を開始。初年度は、一度加熱したホタテに紫外線を当てると鮮やかに光る現象を発見していた。
その後の研究で、ホタテの貝殻の成分の98%を占める炭酸カルシウムは、格子欠陥が豊富なことを追究。人工の蛍光材料に使われ、蛍光原子が多いクロムやマンガン、鉄などを含んでいることも突き止め、熱との因果関係も明らかになった。
蛍光灯やブラウン管などの材料に使われている身の回りの蛍光物質は、さまざまな鉱物を合成して作られている。生成には純度の高い鉱物が必要でコストも高い。「大量に余っているホタテが利用できれば、コスト減につながる」という。
ホタテ貝殻に熱処理を施す蛍光物質の製造方法は特許出願中で、06年に取得できる見通し。下野科長は「ホタテの蛍光特性は、その他の要因も考えられる。今後の研究で明らかにしていきたい」と話している。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。